2021年から世界レベルで木材の価格が高騰している「ウッドショック」が注目を集めています。
木材価格の上昇は新築住宅や木材製品などに影響を与えており、新居の購入を検討している方は今後の見通しが気になるのではないでしょうか。
この記事では、ウッドショックが起きた原因と影響について詳しく解説しています。
また、2023年からウッドショックがどうなるのかを紹介しているため、ぜひ最後までご覧ください。
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ウッドショックとは?
ウッドショックとは、「建築用木材の供給が需要に追いつかないことに起因する木材価格の高騰」です。
2021年頃から世界レベルで木材価格が急激に値上がりし、「オイルショック」になぞらえて名づけられています。
経済産業省のデータを見ると、木材価格は2020年12月と2021年12月を比較すると、およそ2倍近く高騰しているのがわかるでしょう。(参照:経済産業省「いつまで続くウッドショック;価格の高止まりが需要に影響?」)
さまざまな原因が引き金となり、木材の価格が高騰し住宅を購入する際の価格にも影響を及ぼしています。
【なぜ起きた?】ウッドショックの原因をご紹介
ウッドショックが起きた主な原因は、新型コロナウイルスの蔓延により、木材の需要と供給バランスが崩れたことがキッカケです。
木材の供給不足になった理由は、次の通りです。
- コロナ禍による移動制限
- アメリカや中国での住宅需要増加
- コンテナ不足
- 木材流通量の低下
上記の順に、ひとつずつ詳しく解説します。
コロナ禍による移動制限
コロナ禍による移動制限で経済活動が停滞し、木材の調達から消費までの流れが遅れたことが原因のひとつです。
アジア向けに木材輸出を増やしていたオーストリアでは、2020年2月以降に新型コロナウイルスの感染が拡大し規制がかかりました。
なお、木材伐採に関与していた職人も移動ができなくなったことで、木材供給量が減少しています。
アメリカでの住宅需要増加
新型コロナウイルスの影響は日本だけでなく、世界的にリモートワークの普及が進み、住宅の需要が急速に増加しました。
なかでも、アメリカで住宅需要が急増しています。
アメリカでは、超金利政策が行われており、郊外に戸建て住宅を購入する人が増加し、木材の需要が上昇しました。
そのため、木材の需給バランスが崩壊し、日本に輸入されている木材の価格が高くなっています。
コンテナ不足
新型コロナウイルスの影響で、世界各地でステイホームが広がり、世界的な物流の変化が起きたことも原因のひとつです。
物流が活性化したことにより、世界中で慢性的なコンテナ不足に陥りました。
そのため、木材を購入できたとしても、コンテナの運送料金が増加し日本まで木材を運べないという状況が続いています。
また、輸送に使うコンテナには優先順位があります。
物資を大量に輸送する国が優先されるため、日本に輸入されにくいことも要因と言えるでしょう。
木材流通量の低下
木材の流通量は、新型コロナウイルス以前より減少傾向でした。
2019年に起きたカナダのストライキや欧州や北米で多発した害虫被害、アメリカでの大規模な山火事などにより、木材の流通が減少する状況が続いていました。
それに加え、コロナ禍での需要の増加が追い討ちをかけ木材の価格が高騰しているのが原因です。
ウッドショックによる影響とは?
ウッドショックにより、木材の価格が高騰しているため、木材を扱う業者や消費者に影響を与えています。
主なウッドショックによる影響は、次の2点です。
- 新築住宅の価格上昇
- 中古住宅価格への影響
ひとつずつ順番に解説します。
新築住宅の価格上昇
ウッドショックの影響を最も受けているのが、建築費の増大です。
木造住宅の価格は、ウッドショックが起きた際から徐々に上昇しています。
建築費が値上がりする場合、販売価格も値上がりするため、新築住宅の価格が上昇します。
また、木材の供給量が減ることにより、工期が伸びるケースが多い傾向です。
工期が伸びることで、住宅を建てる際にかかる「人件費」や「重機のレンタル費」など、木材以外の費用にも影響がでてきます。
そのため、ウッドショックが原因で新築住宅の価格が上昇しています。
中古住宅価格への影響
ウッドショックは、新築住宅に影響を及ぼすだけではなく、中古住宅にも影響を与えています。
木材価格の値上がりや工期遅れにより新築を諦めた人が一定数います。
新築を断念し、中古住宅の需要が増えたことにより、需給のバランスが崩れ中古住宅の価格に影響を与えているのが現状です。
中古住宅の価格は、需給のバランスが崩れたことをキッカケに間接的な影響を受けて、値上がりしています。
【2023最新版】ウッドショック今後の見通しとは?
結論から述べると、ウッドショックの見通しは現状ついていません。
2019年12月に新型コロナウイルスが発表されてから、約2年の年月が過ぎました。
2023年現在では、新型コロナウイルスの共存が進み、ウッドショックも収束に向かうと予想されていました。
しかし、2022年2月のロシアによるウクライナ侵攻によって、落ち着いたと思われていた木材の供給回復に、再びリスクが生じているというのが最新の見方です。
木材価格の上昇は、政府の介入もあり上昇し続けることはないと考えます。
しかし、木材価格が下がらない限りは、ウッドショックの終わりがきたとはいえないでしょう。
これから新築住宅・中古住宅、木材製品を購入する際は、ウッドショックの終了を見極めることが重要です。
ニュースや工務店などの関係者から情報を集める行動が大切になっていくでしょう。
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まとめ
日本の建築業界に打撃を与えているウッドショックについて解説しました。
木材流通量の低下やコンテナ不足などの影響で、木材価格が上昇しています。
新型コロナウイルスが生活の一部となってきている昨今、ウッドショックが収束されると思われていましたが、ウクライナ侵攻の影響で見通しが立たない状況です。
これからマイホームの購入を検討している人は、「メディアを確認する」「建築会社に現在の状況を確認する」ことが大切です。