
近年、業務効率化を実現する手段として注目を集めているプロジェクト管理ツール。
しかし、海外製ツールでは日本語サポートが不十分だったり、操作が難しく感じたりするケースも少なくありません。
こうした課題を解消する選択肢として注目されているのが、国産のプロジェクト管理ツール「Backlog」です。
本記事では、Backlogの主な機能や料金プラン、実際のユーザーからの評判を詳しく解説します。
「Backlogは具体的に何ができるのか?」「操作性はどうなのか?」といった疑問をお持ちの方に向けて、ツールの特徴を客観的にご紹介します。
プロジェクト管理ツールとしてBacklogの導入を検討している方は、ぜひ最後までご覧ください。
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backlogとは

「Backlog(バックログ)」は、デザイナーやエンジニア、営業職からバックオフィスまで幅広い業種で利用されており、業務の可視化やチーム内のスムーズなコミュニケーションを実現するオールインワンのプロジェクト管理ツールです。
使いやすさにこだわったという親しみやすいUIデザインやシンプルな操作性で、IT初心者の方でもすぐ使いこなせます。
また、ユーザー数を無制限で追加できる(スタンダードプラン以上の場合)こともBacklogの大きな魅力。
プロジェクトが進んでチームメンバーが増えたときも気軽にメンバーを追加できます。
運営元『株式会社ヌーラヌーラボ』について
Backlogは福岡県に本社がある株式会社ヌーラボによって運営されています。
以下、企業情報をご紹介します。
会社名 | 株式会社ヌーラボ |
---|---|
本社所在地 | 福岡県福岡市中央区大名一丁目8-6 HCC BLD. |
代表者 | 橋本 正徳 |
設立日 | 2004年3月29日 |
事業内容 | チームのコラボレーションを促進するサービスの開発・提供 |
資本金 | 6億1,700万円(2023年3月31日時点) |
backlogの機能・できること

Backlogは業務効率化に役立つ機能が豊富に備わっています。
Backlogの主な機能やできることについて、以下で具体的にご紹介します。
プロジェクト管理
日々の定常業務から大きなプロジェクトまで、プロジェクト管理の効率化をサポートします。
プロジェクト管理は、以下の機能を使うことで効率的に進行できます。
ガントチャート
ガントチャートとは、各タスクの開始日と終了日をバーで表現し、プロジェクト全体の進捗状況を一目で把握できる機能です。
タスクの依存関係や優先順位を明確にできるので、プロジェクトの全体像を把握しやすくなり、遅延を防止しながら効率的な管理を実現します。
変更が生じた際はリアルタイムで全員に共有でき、コミュニケーションのズレを防ぎます。
グルーピングや表示設定の変更で見やすい表示にカスタマイズできたり、ドラッグ&ドロップで簡単にスケジュール変更ができるのも嬉しいポイント。
担当者ごとに表示するとメンバーごとのタスク量や進行状況が確認できるため、業務負荷を均等にできます。
また、タスクの優先度や進捗状況に応じて色分けを行うことで、視覚的に情報を整理しやすくなります。
カンバンボード
カンバンボードでは、プロジェクト内のタスクを課題として「未対応」「処理中」「完了」などの状態ごとの列に分けて表示し、現在発生している課題の量や進捗度を一目で把握できます。
課題はドラッグ&ドロップすることによって、付箋を貼るイメージで自由に動かせます。
課題を優先順位が高い順に並び替えるなど、自分が使いやすいように画面を整理することでパフォーマンスの向上につながります。
課題が多くなっても、絞り込み機能を使うことで探したい課題をスムーズに検索が可能。
業務管理がぐっと楽になりますね。
バーンダウンチャート
バーンダウンチャートは作業量と時間の軸を使い、期限までの残りの作業量を指標となる3本の線で表したグラフです。
指標は「実績線」「計画線」「理想線」があり、プロジェクトが予定通り進んでいるかどうかを一目で確認できます。
計画より大幅に遅れている場合はアラートとして「炎」のアイコンが表示されるため、期日への意識がより高まり、進捗の遅延を防ぎます。
また、課題を最も多く解決したメンバーを称えるメッセージが表示されるため、個人のモチベーション向上に寄与し、人事評価の参考にもなります。
タスク管理
日々のタスクを「課題」として設定し、一覧化します。
課題は「親課題」「子課題」としてつなげて登録でき、内容を細かく設定できるのが特徴です。
たとえば自社のWebサイトをリニューアルするというプロジェクトが発足した場合、「Webサイトのリニューアル作業」を親課題とし、「UIデザイン案の作成」「実装作業」「リニューアルのお知らせメール」を子課題として登録するといったように、タスクをわかりやすく細分化できます。
これにより、全体状況をより把握しやすくなり、効率的なプロジェクト進行につながります。
また、タスクの更新やコメントを行うと通知が送信され、関連するメンバーにリアルタイムで情報を共有できます。
さらに、通知は送信先のメンバーを特定して設定できるため、「自分に関係のないタスクの通知が届く」といった業務管理ツール特有の煩わしさを軽減します。
加えて、個人やグループへの通知機能に既読確認が組み込まれている点も便利です。
誰がコメントを読んだかを確認できるので、「通知はしたけど、ちゃんとコメントを見てくれたかな?」といった心配がなくなります。
マニュアル管理・共有
マニュアルやガイドラインなどのドキュメントを一元管理し、効率的に情報共有ができます。
Backlogには、メンバーが自由に編集し、公開できるページを作成できる「Wiki」という機能があります。
マニュアルなどの管理方法の中でも多いのが、エクセルで作成したマニュアルを印刷して紙ファイルで保管したり、社内の共有フォルダで公開する方法。
しかし、紙ファイルで保管すると必要な情報を探すのに時間がかかり、共有フォルダでは「どのフォルダに保存したのか忘れてしまった…」といった問題が発生しがちです。
BacklogのWiki機能を使えば、マニュアルもBacklog上で公開・管理できるので、全体への共有が格段にスムーズになります。
新入社員へ仕事を教えるときや引継ぎの時なども、Wikiを使うことで簡単に手順を教えられ、必要な情報に素早くアクセスできます。
マニュアルが更新されても、バージョン変更履歴を参照することで手順がいつ変わったかを容易に突き止められます。
加えて、Backlogはユーザー数が増えても料金が変わらない(スタンダートプラン以上の場合)ので、会社全体で使いやすく、マニュアルの共有・管理に適していると言えます。
コラボレーションの促進
Backlogは、社内のコミュニケーションを活性化できる機能が備わっています。
課題にコメントする際、絵文字や「いいね」を意味するスター機能などを使うことで、メンバー間のコミュニケーションを取れるようになっています。
社内メールやチャットでは、つい文字だけの堅苦しい文章になりがちです。
絵文字などを使うことで文章に明るさが出るため、メンバー同士の距離感を縮める効果も期待できます。
気軽に相談や質問をしながら、プロジェクトを進めやすい環境が整います。
また、Backlogは社外メンバーとのコラボレーションが可能であることも大きな特徴です。
管理者はプロジェクトにアクセスできる人やどのような操作を行えるかといった権限を細かく設定・管理することが可能であり、社内メンバーから取引先まで、ひとつのスペースで情報共有できます。
社外メンバーにはプロジェクトの閲覧権限だけを付与し、各作業は社内メンバーだけができるように設定すれば、進捗状況を社外メンバーに別途連絡する手間と時間を省けます。
バージョン・バグ管理
バージョンの変更履歴やバグの修正状況を把握し、管理することが可能です。
ソースコードや変更履歴を管理するバージョン管理システムであるGitやSubversionのリポジトリ機能(開発の仕様やシステムに関する情報を保存する機能)を備えています。
バグの発見日時や発見者、再現方法、修正履歴などの必要な情報を管理したり、ファイルやドキュメントの変更履歴を確認できます。
これにより、過去のバージョンに戻したり、どのメンバーがどの部分を変更したかを確認できるほか、作業内容をチームに簡単に共有可能です。
backlogの費用・料金

Backlogは個人・少数向けのフリープランのほか、4つの有料プランが用意されています。
すべてのプランで初期費用は無料であり、30日間の無料トライアルも利用可能。
以下、各プランの月額料金や主な機能です。
フリー | スターター | スタンダード | プレミアム | プラチナ | |
---|---|---|---|---|---|
月額料金 | 無料 | 2,970円 | 17,600円 | 29,700円 | 82,500円 |
ユーザー数 | 10人 | 30人 | 無制限(1万人以下を推奨) | 無制限(1万人以下を推奨) | 無制限(1万人以下を推奨) |
プロジェクト数 | 1 | 5 | 100 | 無制限 | 無制限 |
ストレージ | 100MB | 1GB | 30GB | 100GB | 300GB |
1つの課題に添付できるファイル数 | 1個 | 10個 | 30個 | 50個 | 50個 |
ガントチャート | 〇 | 〇 | 〇 | ||
カンバンボード | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | |
ドキュメント | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | |
バーンダウンチャート | 〇 | 〇 | 〇 | ||
課題のテンプレート | 〇 | 〇 | 〇 | ||
属性のカスタマイズ | 〇 | 〇 |
backlogのメリット・デメリット

Backlogのメリット・デメリットを3つずつご紹介します。
Backlogのメリット
わかりやすいデザインと簡単な操作性
Backlogは親しみやすいシンプルなUIデザインと簡単な操作性で、IT初心者の方でも簡単に使いこなせます。
使い方ガイドや活用ガイドも公式HPで公開されており、日本製のツールということもあり、とてもわかりやすく解説してくれます。
管理者ガイドもあるので、操作でわからないことがあってもすぐに参照できます。
そのほか、有料プランではメールサポート、チャットサポートもあるので、安心して運用できますよ。
コストを抑えられる
Backlogはスペース課金のため、スタンダードプラン以上であればユーザー数が増えても料金が変わらないことが魅力です。(”スペース”=Backlogを利用する組織ごとに提供されるURLごとに仕切られた共有の場所)
安定した運用を維持するため1万人以下のユーザー数を推奨されていますが、ユーザーを無制限で追加できるので、コストを抑えられます。
会社全体で運用しやすいツールであるといえるでしょう。
外部と情報共有しやすい
Backlogはユーザーを無制限で追加でき(スタンダードプラン以上の場合)、さらにユーザーごとにアクセス権限を設定できるので、社外メンバーをBacklogに追加しやすくなっています。
同じプロジェクトを進める取引先や、弁護士や税理士などの顧問といった社外メンバーをユーザーに追加することで、コミュニケーションがとりやすくなります。
情報共有にかかる手間と時間を節約することで、本来の仕事に注力できます。
Backlogのデメリット
使用人数によっては割高になる
Backlogはスペース課金であるというメリットをお伝えしましたが、使用予定のメンバーが少数の場合、かえって割高になる場合があります。
Backlogは無料版であるフリープランもありますが、ユーザー数や機能の制限が多いです。
少数のメンバーかつ多くの機能を使いたい方は、まずは無料トライアルを試してみて、コストとパフォーマンスのバランスを考えてから導入を検討する必要があります。
検索機能の精度が低いことがある
絞り込み機能を使うことによって課題の検索が可能ですが、検索する項目が限定されているため、より細かい検索機能を求めるユーザーもいます。
課題が増えすぎると検索しづらいほか、画面が散らかってしまいパフォーマンスの低下にもつながるので、定期的な課題の整理をおすすめします。
ファイルのストレージが少ない
Backlogではプランごとにファイルのストレージが決まっています。
フリープランやスタンダードプランの場合、ファイルのストレージが100MB、1GBと少なめに設定されているので、ストレージが足りず使いにくいと感じる方もいます。
ファイルを保存管理する機会が多い企業は、スタンダードプラン以上のプランを選択するとよいでしょう。
Backlogがおすすめな企業

Backlogは有料利用ユーザー数140万人以上(2024年9月末時点)を誇る国内最大規模のツールです。
前述したメリット・デメリットに加え、非常に高い信頼性とセキュリティを有しているAWS(Amazon Web Services)を採用しているため、高いセキュリティ力があるといった特徴があります。
具体的には、以下のような企業に特におすすめです。
- チームメンバーが10名以上いる中小~大企業
- エクセルなどのツールで業務管理をしている
- IT系のツールに慣れていないメンバーが多い
- サポートの手厚さやセキュリティの高さを重視したい
- 取引先などの社外メンバーとコラボレーションする機会が多い
backlogの評判・導入事例

これまでBacklogの主な機能やメリットについて解説しましたが、実際の評判は?使いにくいと感じる人はいる?と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。
実際の導入事例について、以下でご紹介します。
【トヨタ株式会社】
トヨタ生産方式の「カイゼン」とBacklogのコラボレーションで業務効率を向上。
ヌーラボ公式パートナーとの連携で業務合計時間のグラフ化も実現
Backlogの活用場面は大きく3つあります。
1点目は「部方針のタスク管理」です。部として1年間推進するタスクを一元管理し、125名の部員が部方針に基づく個々のタスク進捗を部員全体で共有できるようにしました。
結果、誰もが一目で部全体の状況を把握できるようになり、大きな効果を感じています。
2点目の活用場面は「個人のタスク管理」です。タスクを数時間単位の粒度で課題として起票し、業務の流れやボリュームをガントチャートで可視化して、チーム内で共有しています。
Backlog上では、課題の開始日でタスクを並び替えて表示できるので、タスクの優先順位が明確になり、チーム内で共通認識を持てるようになりました。
3点目は「回覧物の一元管理」です。
メールやチャットの場合、回覧物の見落としや停滞状況が不明瞭な事が課題でしたが、Backlog導入後は、回覧状況がひと目で分かるようになりました。
引用元:Backlog導入事例)
【株式会社西武ライオンズ】
西武ライオンズの業務をBacklogで見える化!最大200件のタスクを同時進行しつつ進捗共有がスムーズに
日々の業務において、タスクの見える化とリアルタイムでの進捗確認、全体のスケジュール管理にBacklogを活用しています。
未着手や期日が超過している課題が一目でわかるため、プロジェクト全体の工数管理もスムーズになりました。
個人的に気に入っているのが、期限切れのタスクが炎のアイコンで表示される機能です。視覚的にわかりやすく、スケジュールに対する意識が高まると感じます。
さらに、ガントチャートでは各自の担当タスクだけでなく、前後のタスクとのつながりも見えます。それゆえ、メンバーに「このタスクが遅延したら、次の工程や担当者、そして全体のスケジュールにどのような影響が出るのか」といったことも伝えやすくなりました。
引用元:Backlog導入事例)
【西部ガス株式会社】
Backlog導入後、同時並行できるプロジェクトが5倍に! 西部ガスのチームワークマネジメントを公開
圧倒的に電話の頻度が減り、メールはほぼゼロになりました。導入前は、Excelやメールでの管理で情報が散らかり、進捗状況の把握が難しかったです。Backlogに情報を集約するようになって、情報共有が円滑になり、チーム全体の透明性が高まりました。
コミュニケーションコストが激減したこともあり、社外ユーザーからも「円滑な進行に欠かせないツール」ととても好評です。
また、ナレッジとしての情報共有がスムーズになりましたね。新しく加入したメンバーへ、「課題を受け取ったら進めてください」「作業が終わったら担当者を変えましょう」など最低限のルールをWiki機能で周知するだけでも、スムーズに業務が進んでいます。Wikiに簡単なマニュアルを作成しておけば、すぐに使いこなせるようになるので、新しいメンバーがチームに加わった時の研修の実施も楽です。
引用元:Backlog導入事例)
backlogの導入の流れ

Backlogは公式HPから簡単に導入できます。
ブラウザ版に加え、デスクトップアプリ・モバイルアプリといったアプリ版も用意されていますので、アカウント作成後は使いやすい方でログインできます。
以下、Backlogの導入手順をご紹介します。
公式HPからプランを選択、無料トライアル(30日間)を申し込み、
- アカウント作成
- 無料トライアル期間内に申し込み手続き
- プロジェクトを作成する
- チームのメンバーを招待する
- 課題を作成する
- アプリを使いたい場合、デスクトップアプリ又はモバイルアプリダウンロード
- ログインURL又はログイン画面からログイン
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backlogの総合評価

Backlogは日本製ならではの使いやすさがあり、ガントチャートなどの機能で高い支持を受けている国内最大規模のプロジェクト管理ツールです。
また、ユーザー数を無制限で追加できるためコストを抑えられるほか、アクセス権限を個別に設定できるので、社外メンバーとの情報共有に役立ちます。
しかし、使用人数によっては割高になることや、検索機能の精度に課題があること、ファイルのストレージがプランによっては少ないといったデメリットもあります。
とにかく使いやすいプロジェクト管理ツールを探している方や、セキュリティが高いツールを使いたい方、社外とのコラボレーションが多い企業に特におすすめです。
Backlogの導入を検討している方は、すべてのプランで30日間の無料トライアルができます。
他の業務管理ツールと比較したい方や使いこなせるか心配な方は、まずはトライアルでお試しいただき、使いやすさを実感してみてください。