業務の効率性や生産性を向上させるため、多くの企業でワークマネジメントツールが導入されています。
ワークマネジメントツールは多種多様なものがありますが、世界で15万社以上が導入しているのが「asana」です。
国内外で高い評価を得ているasanaですが、実際は使いにくいのでは?と心配する声も耳にします。
そこで今回の記事では、asanaが本当に使いにくいのか、主な機能やプラン、実際の評判についてご紹介します。
asanaを含む複数のワークマネジメントツールを比較して迷っている方や、導入を検討しているけれど使いこなせるか不安…と感じている方にわかりやすく解説します。
ぜひ最後までご覧になってください。
施工管理アプリ選びでお悩みの担当者へ
工程管理/表、タスク管理、工事写真/黒板、図面共有/管理など、
現場TECHが厳選したおすすめ製品の資料をまとめてダウンロードいただけます。
【特典】15製品比較表エクセル資料も無料プレゼント!
asanaとは
asanaとは、定常のタスク業務から大きなプロジェクトまで、すべての業務を一元管理できるクラウド型のワークマネジメントツールです。
仕事の「見える化」を実現し、業務パフォーマンスの向上が期待できます。
また、200を超える国や地域で15万社以上が利用しており、数あるワークマネジメントツールの中でもメジャーなツールであるといえます。
運営元『Asana Inc.』について
asanaはアメリカのサンフランシスコで誕生したAsana Inc.が運営しています。
もともとは、Facebookの共同創立者であり技術責任者でもあったダスティン・モスコヴィッツ率いるエンジニアチームが社内用として開発したツールでした。
のちにエンジニアメンバーのジャスティン・ローゼンステインとふたりで独立し、Asana Inc.を起業しています。
以下、企業情報をご紹介します。
会社名 | Asana Inc. |
---|---|
本社所在地 | アメリカ サンフランシスコ |
代表者 | Dustin Moskovitz |
設立日 | 2008年1月 |
業種 | IT・通信(IT & Communications) |
業務効率化に繋がるasanaの機能
asanaはタスク管理機能をはじめ、業務効率化につながるさまざまな機能があります。
具体的にどういった業務に役立つのか、以下でご紹介します。
タスク・プロジェクトの見える化
タスク管理
自分が担当している業務やプロジェクトにおいて発生する個々の業務を、「タスク」として登録できます。
タスク管理をする際、エクセルなどのツールやデスクトップの付箋機能を使って管理している方も多いのではないでしょうか。
asanaでは情報をクラウド上で可視化することで、自分が抱えている業務を一目で把握できます。
他のメンバーにも自分が担当しているタスク量を共有できるので、タスク量が集中しているときはフォローしてもらいやすくなります。
メンバー間で積極的にフォローアップしていくことで、業務負荷を均等にできるでしょう。
プロジェクトビュー
プロジェクトやタスクのすべてを画面上で一覧化します。
イベントなどの期限付きプロジェクトから受発注といった定常業務まで、プロジェクトとして管理できます。
複数ある表示形式によって、その時々で自分が使いやすいテンプレートを適用可能です。
具体的な表示形式は以下です。
かんばんボード
付箋を貼るイメージで、タスクをドラッグ&ドロップで自由に動かせます。
「新規リクエスト」「実行中」「完了」といったステータスごとにタスクを分けられ、プロセスがいくつもある大きなプロジェクトや業務の時に特に役立ちます。
リスト
チェックリストのように、縦一列にタスクを表示できます。
完了したタスクはチェックボタンを押すことで消せるので、やることリストを上から二重線を引いて消していくイメージに近いでしょう。
未着手のタスクを把握しやすく、自分がやるべき仕事の量をわかりやすく可視化します。
タイムラインビュー
プロジェクトを簡単に見える化したい方向けのテンプレートです。
プロジェクト状況の進捗度を確認・共有したいときに役立ちます。
カレンダービュー
登録したタスクをカレンダーに当てはめて、期日を確認できます。
期日の締め切りが一目でわかるので、スケジュール感を掴みやすくなります。
納期が集中している時期を見える化することで、以降の業務の調整にも役立つでしょう。
また、Googleカレンダーとも同期可能であるため、これまでGoogleカレンダーで期日管理していた方もスムーズに移行できます。
ガントチャート
いわゆるスケジュール管理表です。
タスクや担当者ごとの作業時間や進捗を棒グラフによって表しており、プロジェクトの全体像をリアルタイムで掴むことが可能です。
時系列を確認しながら期限管理をしたい方に適しています。
かんばんボードと比べ、順序や期限の調整がやりやすくなります。
タイムラインビューと似ていますが、ガントチャートではタスクや期限が画面の左端にリスト化されているので、より詳しくタスクの進捗状況を把握できます。
ただし、細かいタスクが多数ある場合などはガントチャートでは図全体が広くなり把握が難しいことがあります。
そういったときは、タイムラインで整理を行えばプロジェクト全体をコンパクトに見渡せます。
マイルストーン(プロジェクトにおける重大な中間地点)を設定でき、明確化できることもガントチャートの大きなメリットといえるでしょう。
受信トレイ
自分が関係しているタスクに関するすべての通知を受け取ることができます。
関係するタスクに何か変更があった場合も即座に情報共有できるため、変更を見逃しません。
ただし、さまざまなタスクに関わっている場合、通知をそのままにしておくと埋もれてしまう可能性があります。
確認した通知はすぐアーカイブしていくなど、整理しながら進めていくことをおすすめします。
目標の共有
ゴール
「目標」「主要な結果」「個人の目標」を設定し、目標への達成度をわかりやすく見える化できます。
チームや会社全体の目標を達成するための個人目標をつなげることも可能なため、「どうすれば目標が達成できるか」をメンバーが積極的に考える機会を作りやすくなります。
そのほかの機能を組み合わせて使うことでさらに進展度が把握でき、組織全体の足並みを揃えることにつながります。
ポートフォリオ
プロジェクトの進捗状況や目標への進展度など、プロジェクト全体の状況を俯瞰的にまとめることが可能です。
進捗状況を上司に報告するときは報告書を別途作成したり、メールで説明文を作成する手間がありましたが、ポートフォリオ機能があればそれらを自動化できます。
個人の仕事はマイタスクで、チーム全体のモニタリングはポートフォリオ機能を活用することで、目標への進展度や負荷のかかっているメンバーの特定につながります。
レポートダッシュボード
リアルタイムでチームの状況をレポート化します。
レポートはテンプレートの中から選ぶだけで作成できるほか、カスタマイズすることも可能。
自分に合ったやり方で可視化できます。
個人目標の達成状況レポートも作成できるので、チームメンバーと比較する指標になり、納得感のある評価につながるでしょう。
業務のスリム化
ワークフローのルール設定
繰り返しの固定業務を、条件を付けることによってルールとして設定できます。
固定業務を自動化することで抜け漏れを防ぐほか、作業時間を短縮でき、「仕事のための仕事」を減らすことができるでしょう。
残業時間の削減にも役立ち、主要な仕事に注力できますよ。
テンプレート
固定のメールの内容を「テンプレート」として登録することで、テンプレートを選ぶだけで定型文などを登録できます。
特に社内間では、定型文のメールを送る機会が多いのではないでしょうか。
これまでは過去のメールを参照して都度コピーペーストしていましたが、テンプレート機能を使えば作業を短縮できるので、ストレスなく定例業務をこなせます。
また、過去メールをコピーペーストする場合にありがちな、日付や宛名など都度変える情報を変更し忘れていた!というミスも防げますね。
外部ツールとの連携
asanaはZoomやslackなど、200以上の外部ツールと連携可能です。
Zoomでのミーティング中にasanaでタスクを作ったり、タスクに変更が生じた際にasanaからSlackにリアルタイムで通知できます。
自社で使用中のツールと連携することで、これまでのやり方を大きく変えずにスムーズに移行できるでしょう。
Asana AI
有料プランになると、Asana AIという生成系AI機能が使えます。
文章の長さや書式を AI で改善できたり、AI に質問して進行中の仕事に関する情報や次のステップ、最新の進捗情報の要約を確認できます。
そのほか、タスク内の説明やコメント等がうまく書けないという時に支援してくれたり、業務管理をするために何が必要なのか、アイデアを提供してくれる機能もあります。
工数管理
ワークロード
リアルタイムで作成されるチャートにより、プロジェクトメンバーの工数状況を一目で把握することが可能です。
作業時間を個々に直接確認したり、エクセルなどで工数管理している会社も多いですが、それでは手間も時間も掛かってしまいます。
ワークロード機能やレポート機能を使うことで、各自の工数を手間なくわかりやすく管理します。
また、タイムライン上でタスクをドラッグ&ドロップし、担当者や期日を調整することも可能です。
タイムトラッキング
内蔵タイマーを使用して、ひとつの作業にかかる時間を正確に測定します。
仕事に費やしている時間を計測することで、必要な時間を割り当てられるようになります。
これにより、自分がなんとなく進めていた作業が実際はこれだけ時間がかかっているということを見える化でき、業務効率改善に対する意識の向上にもつながります。
ただし、タイマーを止め忘れてしまうと正確な時間が測れないので、作業が終わったらタイマーを止めることをしっかり覚えておきましょう。
asanaの費用・料金
asanaは無料のPersonalプランのほか、4つの有料プランが用意されています。
以下、各プランの月額料金や主な機能です。
Personal | Starter | Advanced | Enterprise | Enterprise+ | |
---|---|---|---|---|---|
月額料金 | 無料 | 1,200円 | 2,700円 | 問い合わせ | 問い合わせ |
ユーザー数 | 10人 | 500人 | 500人 | 問い合わせ | 問い合わせ |
タスクなどの登録数 | 無制限 | 無制限 | 無制限 | 無制限 | 無制限 |
表示形式数 | 3 | 5 | 7 | 7 | 7 |
ルール登録 | なし | 250回/月 | 25,000回/月 | 無制限 | 無制限 |
ゴール機能 | なし | なし | あり | あり | あり |
ポートフォリオ機能 | なし | なし | 100 | 無制限 | 無制限 |
Asana AI | なし | あり | あり | あり | あり |
asanaの無料でできること
asanaのPersonalプランは無料で使用可能。
その上、期間の縛りがありません。(※2025年1月時点)
無料版では有料版に比べ使える機能が一部に限定されていますが、asanaは無料版でもワークマネジメントツールとしての基本的な機能が揃っています。
小規模なチームやプロジェクト数が多くない会社の場合、無料版でも充分に役立つでしょう。
無料でできることを具体的にご紹介します。
プロジェクトやタスクの登録
プロジェクトやタスク、コメントなどを無制限に登録できます。
ファイルストレージ
ストレージ数の縛りがなく、ファイルを無制限にアップロードできます。
ただし、1ファイルにつき最大500MBの容量までです。(有料版も同様)
表示形式の変更
タスクを管理する表示形式のうち、「リスト」「かんばんボード」「カレンダー」を使い分けることができます。
Starterプランではこれに加え、「タイムライン」「ガント」、Advancedプランではさらに「ゴール」「ポートフォリオ月100回」、Enterprise、Enterprise+プランでは「ポートフォリオ」が制限なく使用できます。
無料版でも主要なテンプレートは使用できますが、ビジネスでさらに役立つガントチャートなどやポートフォリオ機能は有料版限定です。
これらの機能を使いたい方は、有料版を検討してみてください。
外部ツールとの連携
Microsoft 365 や Google Workspace、Slack などの外部ツールと連携できます。
自社で使用中の外部ツールと連携することで、導入時の初期負担を最小限に抑えられます。
CSV、PDFへのエクスポート
asanaで作成したタスクやプロジェクトをCSVやPDFにエクスポートすることが可能です。
特に補助金関係などの公的な必要書類では、PDFの提出を求められることも多いです。
エクスポート機能を使うことで、社外への情報共有や文書の提出などを求められても手間なくスムーズに用意できます。
asanaのメリット・デメリット
asanaのメリット・デメリットを3つずつご紹介します。
asanaのメリット
1.タスク管理機能が充実
asanaは他のワークマネジメントツールと比べ、タスク管理機能が優れているという声が多く聞かれます。
支持されている理由として、多様な表示形式があり、自分に合った最適な画面構成でタスクを可視化できることが挙げられています。
各タスクはドラッグ&ドロップで動かせるので、アナログ形式でタスクを管理していた方でもスムーズに使いこなせるでしょう。
また、ワンクリックで表示形式を変更できるという簡単な操作性も魅力です。
「今自分が抱えているタスクはどれくらいあるのか」「期日が集中している時期はいつか」「特定の社員にタスクが偏っていないか」といったことを一目瞭然で確認でき、パフォーマンスの向上が期待できます。
2.無料でできることが多い
asanaの無料版であるPersonalプランでは、前述のとおり、業務管理における基本的な機能が備わっています。
タスクの登録数やファイルストレージ数なども有料版と同様に無制限であり、外部ツールとの連携も可能です。
ユーザー数が最大10人までという縛りはありますが、10人以下のチームであればワークマネジメントツールとして充分に役立つでしょう。
3.目標をわかりやすく共有できる
asanaにはポートフォリオ機能やゴール機能があり、組織全体や個人の目標を可視化します。
ゴール機能で目標を設定し、マイルストーンの段階やプロジェクト完了時にポートフォリオを作成することで、目標への達成度をより感じることができます。
組織全体の目標は、直接的に関わっていなければどうしても身近に感じにくいです。
しかし、asanaでは「自分が担当しているタスクが完了したことによって、これだけ目標へ近づいている」ということをわかりやすく可視化し、共有できます。
目標共有により個人意識が高まり、組織全体のパフォーマンス向上にもつながります。
asanaのデメリット
1.操作に慣れるのに時間がかかる
asanaは多くの機能を有していることもあり、マニュアルなしでは直感的な操作がしづらく、使いにくいという声があります。
特に、これまでアナログでタスク管理をしていた方は慣れるまで時間がかかるでしょう。
その反面、使いこなせればとても便利という声も多く聞かれるので、使い方ガイドなどを確認しながら積極的に使っていきましょう。
2.通知が多い
asanaには受信トレイ機能があり、自分が関係しているプロジェクトやタスクに関する変更が生じた際に通知を受け取り、変更をリアルタイムで共有できます。
しかし、プロジェクトにタスクが追加されたときなども都度通知が届くので、通知が増えることで受信トレイが散らかってしまいます。
確認した通知はすぐアーカイブしたり、すぐに対応できないものはフォローアップタスクに設定することで、忘れずに対応できます。
3.モバイルアプリが使いづらい
asanaはwebのブラウザ版のほか、デスクトップアプリとモバイルアプリがあります。
デスクトップアプリはブラウザ版の機能を有したまま、アプリとしてブラウザとは別に立ち上げることができるので、都度ブラウザでページを検索する手間が省けます。
しかしモバイルアプリの場合、スマートフォン用のデザインになっているため、デスクトップアプリと比べると使いにくいと感じる方もいるようです。
メインはデスクトップアプリまたはブラウザ版を使い、モバイルアプリは出先でのプロジェクトの進捗状況やタスク確認などをメインで使うといった使い分けをすると、ストレスなく使えるかもしれません。
asanaは使いにくい?実際の評判・導入事例
これまでasanaの主な機能やメリットについて解説しましたが、実際の評判はどうなのか?と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。
実際の評判や導入事例について、以下でご紹介します。
GooglePlayのレビュー
こんなに使いやすいタスク管理アプリを他には知りません。
GTDをやるならこれでしょう。
柔軟なタスク設定、プロジェクト設定ができ表現したいタスクがそのまま登録できます。
検索も高機能でタスクが探しやすいです。しかも個人利用は無料。
使わないと損なアプリだと思います。
引用元:GooglePlay
某タスク管理と似ていますが、リスト、ボード、カレンダービューに切り替えが出来てスケジュール管理しやすいです。
ガントチャートが無料だともっと良かったですが小規模管理には十分
引用元:GooglePlay
導入事例
【チームラボ株式会社】
チームの目標と個人の業務を「Asana」でつなぐ チームラボの成長組織マネジメント
チームの目標と個人の目標を連動させたOKR管理の基盤として機能
個人の目標とチームの成果が紐づけられ、個人のアクション更新がチーム目標の達成状況にも連動。
チーム全体がそれぞれの目標と成果を意識し高パフォーマンスを維持できる仕組みに
引用元:Asana導入事例 – チームラボ
【スズキ株式会社】
モノづくりの根幹「小・少・軽・短・美」× Asanaで 次なる成長戦略の実現を目指すスズキ
繰り返し業務の標準化でミスを防ぎ、ノウハウの継承も実現
歴代担当者の知見とノウハウが詰まった定型化された手順による繰り返し業務をテンプレート化。
それを公開することで、知識と業務の継承を容易にするとともに、誰もが同等の品質で業務遂行でき、属人的なやり方やミスの削減が実現できた
(引用元:Asana 導入事例 – スズキ)
asana導入の流れ
以下、asanaの導入手順をご紹介します。
- 公式HPからアカウント登録
- プロジェクト、タスクを登録
- チームのメンバーを招待、追加
- 現在使用している外部ツールと連携
- アプリ版を使う場合はデスクトップアプリ又はモバイルアプリをダウンロード
上記手順のように簡単に導入できますが、「それでも難しそう!」「導入して社内のメンバーに操作方法をレクチャーする時間がない…」といった方もいるでしょう。
asanaの導入支援サービスを行っている企業もありますので、手間なく導入したいと考えている方は相談するといいかもしれません。
asanaの総合評価
asanaはタスク管理機能が特に優れているワークマネジメントツールとして、ユーザーから高い評価を得ています。
また、無料でできることも多いため、お試しとして導入するハードルが低く、レポート機能やゴール機能といったビジネスに役立つ機能が豊富であるメリットもあります。
その反面、直感的な操作がしづらいと感じることや、通知が多い、モバイルアプリが使いづらいといったデメリットもあります。
しかし、タスク管理機能を重視したい方や、無料版でしばらく運用したいという方には特におすすめできます。
まずは無料版を使ってみて、使いやすさや機能の豊富さを実感してから、必要に応じて有料版に移行してはいかがでしょうか。