インターネットが普及し、クラウドシステムが発達したことで様々なソフトをクラウド上で利用できるようになりました。
今では、どんな場所にいてもインターネットにさえ繋がっていれば、多種多様なソフトを利用することが可能となっています。
その影響は、ビジネスにも波及しており、仕事の効率化やタスクの透明化を図るため、企業の主要システムとしてクラウドシステムが導入されています。
その中でも最近注目されているソフトに「asana」があります。
asanaは、プロジェクトの計画の進行を管理したり、業務の効率化を図ったりするために利用されているプロジェクト管理ソフトです。
ここでは、asanaに焦点をあて、そのシステムの機能や、導入するメリット、具体的なコストなどについて触れていきます。
この記事を読めば、実際にasanaを導入するにあたって、参考となる情報を得ることができるでしょう。
ぜひ最後までご覧いただければと思います。
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asanaとは
asanaとは、プロジェクトの進捗や、チーム内で割り当てられるタスクのマネジメントなどをクラウド上で一元管理できるプロジェクト管理システムです。
各プロジェクトの計画内容やそのプロセス、各々のタスクのステータスなどをチームメンバーや、その他の関係者とリアルタイムで共有することができます。
これにより、プロジェクトを計画通りに押し進めることができトラブルが発生した場合でも、メンバー間で迅速に共有し、素早く問題の解決を図ることが可能になります。
また、asanaは利用できる端末もPCのみに留まらず、スマートフォンやタブレットPCでも使用可能です。
運営元『Asana Japan株式会社』について
asanaは2008年に、アメリカのサンフランシスコで立ち上げられた会社です。
創業者は、ダスティン・モスコヴィッツとジャスティン・ローゼンステインです。
ダスティン・モスコヴィッツは、Meta(旧Facebook)の設立者であるマーク・ザッカーバーグの大学時代のルームメイトで、Facebookの技術責任者として活躍していました。
asanaは年を経るごとにアメリカ社会に浸透し、その勢いはアメリカ国内に留まらず、世界規模で利用されるようになりました。
このような背景もあり、日本でもビジネス展開するため、2019年にAsana Japan 株式会社が設立され、日本におけるシェアの拡大を図っています。
Asana Japanでは、「スマートに働く」という理念のもと、企業におけるプロジェクト活動を効率的に進めるためのプロジェクト管理システムを提供しています。
会社名称 | Asana Japan 株式会社 |
---|---|
本社所在地 | 〒100-6990東京都千代田区丸の内2-6-1丸の内パークビルディング8階 |
設立 | 2019年3月 |
代表者 | ジェネラルマネージャー 立山東 |
asanaの機能・できること
asanaには業務効率化を図るための多くの機能が備わっています。
ここでは、asanaで利用できる各機能について解説します。
タスク管理機能
タスクを作成し、その担当者と期限などをチームメンバー内で共有することができます。
また、そのタスクの担当者が作業を進めやすいようにタスクの優先度を管理できるので、メンバーが何から手を付けて良いか判断に迷うことが少なくなります。
さらに、タスクが期限を超えたり、あらかじめ決めておいた工数を超過した場合にアラートを表示する機能があります。
その為、タスクのスケジュール面とコスト面といった2つの面からタスクの管理が可能となっています。
プロジェクト管理機能
プロジェクト管理機能では、関連文書ファイルや計画書などのプロジェクトに関する情報を一元管理することができます。
また、プロジェクト管理機能では、そもそもプロジェクトが立ち上がった背景までもマネジメントできるので、チームメンバー間で、プロジェクトの将来のビジョンを共有し足並みを揃えることに役立ちます。
各チームメンバーに割り当てられたタスク単位の視点では、なかなか担当しているプロジェクトのビジョンを共有することが難しいです。
asanaのプロジェクト管理機能を利用すれば、プロジェクトにおける目的を随時共有することが可能です。
タイムライン機能
タイムライン機能とは、各チームメンバーに割り当てられたタスクの期限を確認することができる機能です。
asanaでは、各タスクについてあらかじめ期限を設定することができ、無数にあるタスクの期限をタイムライン機能を利用することで、プロジェクト関係者が常時確認することができます。
タイムライン機能を利用することで、全てのタスクに対する締め切りを視覚的に管理できるので、プロジェクトの進捗をタスクレベルでマネジメントすることが可能です。
マイタスク機能
自分が担当しているタスクを管理できるのがマイタスク機能です。
タスクと一口に言っても、自分でプロジェクトに必要なタスクを作成したものもあれば、チームリーダーやプロジェクトマネージャーから与えられたタスクもあり、さまざまな根拠や背景により発生したタスクが混在しています。
その為、自分が担当しているタスクが分かりにくくなってしまいます。
マイタスク機能は、このような多数のタスクの中で、自分が担当しているタスクに絞ってリスト化できる機能です。
また、期限が迫っているタスクがあれば、自動的にタスクリスト上の優先順位があがり、タスクの締め切りが迫っていることを担当者に視覚的に知らせる仕組みとなっています。
受信トレイ機能
asanaの受信トレイは、通知設定やフィルタリングなどのカスタマイズが豊富です。
自分に関係するメールのみ通知の設定をしたり、受信トレイをフィルタリングすることでタスクに優先度をつけることも可能。
ワンクリックで新しいタスクを作成することも出来る為、作業漏れの心配もなくなります。
外部ツールとの連携機能
asanaの特徴的な機能として、約100種類に及ぶ外部ツールとの連携機能があります。
その為、asanaは外部ツールとの親和性が非常に高いプロジェクト管理システムです。
また、外部ツールで進行しているタスクの進行状況も、asanaで一括管理できるので、ツール間の壁を超えて、プロジェクトに関わる全てのタスクを効率的にマネジメントできます。
asanaの費用・料金
asanaは用途に応じて、プラン料金が設定されています。
asanaは初期費用はかかりませんが、月毎のコストがかかります。
ここでは、各プランの月額費用について解説します。
Personalプラン(無料プラン)
Personalプランは月額無料で利用できます。
最大10人までのチームメンバーを登録できるので、個人や少人数のチームの方におすすめできるプランです。
また、無料なので、とりあえず試しに使ってみたいという方にもおすすめできます。
利用できる主な機能は、タスク管理、プロジェクト管理、メッセージ管理、タスクの期限設定、アクティブティログ管理、プロジェクトリストビューなどがあります。
Starterプラン
Starterプランは、ユーザー1人あたり、年間払いで1200円、月額払いで1475円で利用できます。
小規模事業を経営しているスタートアップ企業などに向いている料金プランと言えるでしょう。
最大500人までチームメンバーを登録することができます。
利用できる主な機能は、Personalプランの機能に追加して、タイムラインビュー、ガントビュー、asana AI、ワークフロービルダー、プロジェクトダッシュボード、グローバルカスタムフィールドなどがあります。
Advancedプラン
Advancedプランは、ユーザー1人あたり、年間払いで2700円、月額払いで3300円で利用できます。
複数の部門を跨いだシンプルな業務管理や、目標のポートフォリオなどの共有ができるので、スタートアップ企業の中でも、少し規模が大きくなってきた企業に向いているプランです。
Starterプランと同じく、最大500人までのチームメンバーを登録できます。
利用できる主な機能は、Starterプランの機能に加えて、目標管理、100件のポートフォリオ、ワークロード、フォームのブランチ及びカスタマイズ、タイムトラッキングなどがあります。
Enterpriseプラン
Enterpriseプランの具体的な料金は、asanaの公式HPからセールスチームにお問い合わせください。
複数の部門を超えて、複雑な業務を管理できる機能を備えており、ライセンスが無制限なので中規模企業に向いているプランです。
Enterpriseプランの主な機能は、Advancedプランの機能に加えて、ワークフローバンドル、ゲスト招待管理、リソース管理、モバイルデータコントロール、カスタムブランディングなどがあげられます。
Enterprise+プラン
Enterprise+プランの具体的な料金についても、asanaの公式HPからセールスチームにお問い合わせください。
フレキシブルで正確な管理機能を有しており、さらに厳しいコンプライアンスの要求に応える必要のある大手企業に向いているプランです。
Enterprise+プランの主な機能は、Enterpriseの機能を基本として、監督ログ、情報漏洩対策連携サポート、アーカイブ作成連携サポート、管理者によるアプリ管理などです。
asanaのメリット・デメリット
asanaを導入すると、プロジェクトを効率的に管理できるので大きなメリットが得られます。
その一方で、やはりデメリットもあるので、メリットとデメリットのバランスを考慮して、導入するのを検討するのが良いでしょう。
asanaのメリット
ここでは、asanaのメリットについて解説します。
無料プランから導入できる
asanaはPersonalプランという無料から始められるプランが用意されています。
このプランはプロジェクト管理システムの利用経験の浅いスタートアップ企業や、個人事業主として個人で働く方が、試しに利用できるというメリットがあります。
利用する時に氏名など個人情報を登録などを行う必要があるので多少手間になりますが、タスクやプロジェクトの管理を効率的に実行できるという大きなメリットがあります。
クラウドでデータ管理を行える
asanaはクラウドシステムなので、プロジェクトやタスクに関わる情報を一元管理できます。
しかも、インターネットに接続できる場所であれば、どんな場所でもマネジメントされた情報を閲覧、編集、あるいは更新することができます。
テレワークが推進されている昨今では、インターネットに繋がりさえすればどこでも働けるという点は、優れた特徴と言えるでしょう。
多種多様なデバイスに対応している
asanaは、パソコンだけでなく、スマートフォンやタブレットPCなどでも利用可能です。
そのため、営業などの外回りで外出している時でも、スマートフォンやタブレットPCを介して、プロジェクトに関する最新情報を知ることができます。
その利便性の高さによって、企業活動をスムーズに遂行できるでしょう。
asanaのデメリット
プロジェクト管理において、さまざまなメリットあるasanaにも弱点があります。
ここでは、asanaのデメリットについて解説します。
ユーザーが増えるとコストが高くつく
asanaはPersonalプラン以外は、ユーザー数が増えるごとに利用料金が上がります。
そのため、大企業がasanaを利用する場合、その利用コストが無視できません。
大企業においてasanaを導入する場合は、費用対効果をよく考慮することをおすすめします。
今までのプロジェクト管理ツールに慣れている人にとっては扱いにくい
古いプロジェクト管理ツールに慣れている従業員にとっては、asanaのユーザーインターフェースが扱いにくいと感じる方もいることでしょう。
そのため、asanaを新たに導入する場合は、これまでのプロジェクト管理ツールに慣れている古参の従業員に対して、利用サポートを重点的に行う必要があります。
サーバーが落ちると利用できなくなる
asanaはクラウドシステムなので、システムを統括しているサーバーに障害が発生すると、利用できなくなるという欠点があります。
asanaの運営側も、サーバーに障害が発生しないように万全の管理を行っていますが、それでもサーバーが正常に機能しない事象が絶対に起きないとは言い切れません。
そのため、asanaが正常稼働できなくなった場合に、どう対処するのか企業単位で共有しておくことが必要でしょう。
asanaの評判・導入事例
asanaは多くの大企業でも利用されている実績のあるツールです。
ここでは、asanaの導入事例について紹介します。
スズキ株式会社
自動車業界の一翼を担うスズキ株式会社では、asanaを導入したことで、ルーティン作業の標準化を図ることができ、ミスを減らすことに成功しました。
また、仕事量やタスクの期限を超えた課題について視覚化、明確化し、残業時間を35%程度削減できたチームもあったそうです。
引用元:https://asana.com/ja/case-study/suzuki
富士通株式会社
総合エレクトロニクス事業を展開している富士通株式会社では、asanaを導入したことで多くのメリットを享受することができています。
タスクとそれに関連する担当者を視覚化し、仕事の構造化を図ることで、30%程度の効率化を図ることができたそうです。
また、効率的な仕事の遂行方法や、パフォーマンスを上げるためのノウハウをライブラリーにすることで、企業全体で知識と経験を共有することも実現しました。
引用元:https://asana.com/ja/case-study/fujitsu
フジテック株式会社
エスカレーターやエレベーターなどの設計、開発、販売を行っているフジテック株式会社では、asanaを導入したことで、導入してから1年間で3200時間もの会議時間を削減できたうえに、残業も減らすことに成功しています。
また、チームリーダーのみならず、メンバーにもプロジェクト管理スキルを身につけることができ、組織管理の基本的な素養を浸透させることができたそうです。
引用元:https://asana.com/ja/case-study/fujitec
asanaの導入の流れ
asanaを利用するまでの流れは以下の通りです。
- asanaの公式ホームページより「無料で始める」をクリックしメールアドレスを登録する。
- 登録したメールアドレス宛に暗証コードが送信されるので、その暗証コードを公式ホームページに表示されているコード入力画面で入力する。
- 氏名などの個人情報を入力する。
- asanaを導入する目的や利用方法について質問されるので回答する。
- 共同で利用するチームメイトのメールアドレスを入力する。
- assanaを起動し利用する。
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asanaの総合評価
asanaを導入することで、得られるメリットも大きい反面、不都合なデメリットもあります。
導入するメリットとしては、無料プランから利用できることや、クラウドシステムとして運用されているので、インターネットに接続できさえすれば、どこでもasanaを利用できることなどがあげられます。
逆にasanaを導入するデメリットは、ユーザー増加によってコストが高くつく料金体系となっていることや、サーバーに障害が発生すると利用できなくなることなどがあります。
asanaを総合的に評価すると、企業活動において、費用に余裕があるのであれば、導入することをおすすめできる優れたプロジェクト管理システムだと言えるでしょう。
ただ、これまでのプロジェクト管理システムに慣れている古参の従業員に対しては、業務サポートをきちんとすることが大切だと思われます。