建設業界の工事写真は、施工計画書に準じた施工がなされているかを確認する、重要なものです。
工事写真台帳を作成し、検査官に確認してもらうためには、ルールに従って整理することが重要です。
この記事では、工事写真を整理する目的やルールについて解説しています。
あわせて写真整理業務を簡単にしてくれる、工事写真整理ソフト6選を紹介します。
工事写真を整理する目的とは?

工事写真は、「工事の工程が正しい手順で行われているか」「規定製品を使っているか」を記録し、写真台帳として提出します。
写真台帳の作成は、適当に撮影した写真を並べるわけではなく、写真整理という業務が必要となるのです。
工事写真を整理するルールを次の章で詳しく解説します。
工事写真を整理するルールの確認

工事写真の並べ方は、原則として国土交通省の「工事写真管理基準」に応じます。
原則と伝えたのは、工事の種類や発注者の指示により、優先される順番が変動するためです。
工事写真管理基準に従った場合、ほとんどのケースは以下の順番でフォルダ分けすることが多い傾向です。
- 着手前及び完了写真
- 施工状況写真
- 安全管理写真
- 使用材料写真
- 品質管理写真
- 出来形管理写真
- 災害・事故写真
- その他の写真
また、施工状況写真から出来形管理写真は、施工計画書の順番に沿って並べます。
工事写真整理業務を効率よく行うには専用ソフトの利用を検討する

工事写真を効率よく整理するために開発されたものが、工事写真ソフトです。
工事写真の整理を効率よく行うためにも専用ソフトの利用をおすすめします。
従来であれば、手作業でデジカメからPCへの保存や仕分けを行っていましたが、専用ソフトには、自動で行ってくれるものが多数用意されています。
以下で紹介するのは、専用ソフトを利用するメリットです。
- 保存忘れ・仕分けミスなどのヒューマンエラーが低減
- 手作業よりも短時間で整理できる
- 写真台帳の作成が楽になる
工事写真を整理する目的は、写真台帳を作成することです。
専用ソフトを利用することで、従来よりも短時間で写真台帳を作成できます。
また、自動で保存・仕分けをしてくれるため、少ない人数で写真業務が行えることもメリットと言えるでしょう。
工事写真整理ソフト6選

工事写真整理ソフトのメリットを伝えたところで、おすすめのソフト6選を紹介します。
【1】KANNA(カンナ)

株式会社アルダグラムが提供するKANNA(カンナ)は、アプリ満足度ランキングNo1の施工管理アプリで、2022年8月1日時点でのApp Storeの評価は4.4という高評価を得ています。
KANNAでは写真や図面といったデータをアプリ上で一元管理できます。
その為、各自がバラバラに管理していた写真を一括で整理出来るようになります。
またKANNAには共有機能も備わっている為、業務の効率化やヒューマンエラーの軽減にも役立ちます。
上述の機能は基本無料で利用出来るため、無料で利用できる工事写真整理アプリを探している方には特におすすめです。
【2】蔵衛門ピックアップ

蔵衛門ピックアップは、高速画像処理と写真仕分け機能を搭載した、工事写真整理のフリーソフトです。公共工事から一般工事まで幅広い業種に対応しています。
蔵衛門ピックアップは、数十万枚の写真の利用を想定して開発された「高速画像処理エンジン」のおかげで、大量の写真を取り込んでも快適に動作するのが特徴です。
また、建設業界に特化した工事フォルダの仕分け機能を搭載。利用したい工事フォルダを元データよりコピーし、ドラッグ&ドロップするだけで工事写真の整理と仕分けが完了する仕組みです。
【3】PhotoManager(フォトマネージャ)17

PhotoManager17は、建設業向けに開発された工事写真管理システムです。デジカメ・スマホから撮影された工事写真を素早く仕分け・整理して、写真台帳の作成ができます。
PhotoManager17は、国土交通省「工事完成図書の電子納品等要領(令和3年3月版)」に対応しているため、電子納品の際も安心して利用できます。
PhotoManager17で作成した対象フォルダの写真をもとに、自動で写真アルバムの作成ができることが強みのひとつ。作成したアルバムに写真を追加する際も、ドラッグ&ドロップでできる手軽さもポイントです。
【4】工事デジカメ写真管理2

工事デジカメ写真管理2は、通販サイト「モノタロウ」で1位の写真管理ソフトです。工事デジカメ写真管理2の特徴は、以下の通りです。
- 現場ごとに管理できる
- 写真検索ができる
- 写真をツリー構造でわかりやすく仕分け
- 複数のPCで共有ができる
- 撮影した写真を簡単に取り込める
工事デジカメ写真管理2では、写真を現場ごとに管理できるため、複数の現場を受け持つ責任者でも安心して利用できます。また、複数のPCでの共有作業ができるので、写真の編集・印刷作業を分担できます。
【5】はじめての工事写真作成5

はじめての工事写真作成5は、ヨドバシカメラの工事写真台帳作成ソフトで売上1位のソフトです。特徴は、写真台帳のレイアウトが決まっているため、簡単操作で写真を配置できることです。
はじめての工事写真作成5には、自動バックアップ機能が付いています。作業中にトラブルが起きた際やデータ破損などのトラブルに備えられます。
また、写真整理を円滑にするための「タイトル一括挿入」機能が便利です。工事写真に付けるタイトルを任意の文字で一括挿入、上書きできる機能です。
【6】工事写真ビルダー3

多様なファイル形式に対応している写真整理ソフトの「工事写真ビルダー3」。取り込めるファイル形式は以下の通りです。
- JPEG
- BMP
- DIB
- PNG
- TIFF など
おおよそ考えられるファイル形式に対応しており、写真台帳に参考図や豆図などを直接取り込むこともできます。
工事写真ビルダー3は、使いやすさを求めた無駄のない操作性もポイントです。工事フォルダの構築を簡単にするための機能があるため、写真台帳の作成が快適に行えるでしょう。
また、写真のタイトルや撮影日時などの条件を当てはめて検索できる「簡単検索機能」も便利です。
工事写真整理ソフトを選ぶポイント

工事写真ソフトにもさまざまな種類があるため、導入する企業の目的に合わせたソフト選びが大切です。この章では、工事写真整理ソフトを選ぶ3つのポイントを解説します。
必要な機能は搭載されているか
工事写真整理ソフトは、それぞれ搭載している機能が異なります。
「写真台帳を自動で作成してくれるソフトがいい」「操作が簡単なソフトがいい」など、利用したい機能を明確にすることが大切です。
また、工事写真整理ソフトの中には、写真撮影・電子黒板付きなど、写真業務全般をカバーしているツールもあります。必要な機能を洗い出し、検討すると最適なソフトに出会えるでしょう。
操作性
写真整理業務を手作業で行ってきていた世代は、工事写真整理ソフトの操作に慣れるまで時間を必要とするケースがあります。ITツールに不慣れな世代にも使いやすいソフトを選択すると、写真整理業務が円滑に進むでしょう。
また、多機能な工事写真整理ソフトも注意が必要です。機能が多いあまり、操作が複雑になる傾向なため、直感的な操作性のソフトがおすすめです。
まとめ

建設業界の工事写真は、検査員が見やすいように一定のルールに従って写真を整理する必要があります。
原則として、並べ方のルールは国土交通省の工事写真管理基準をもとにしています。
建設業界の写真業務は、時間を奪われやすい作業なため、専用ソフトを導入して効率よく写真台帳を作成していきましょう。
今回紹介した工事写真整理ソフトのなかでもおすすめなのは、KANNAです。
シンプルで直感的な操作性が好評のKANNAは無料で利用できます。
まずは無料で使えるKANNAを利用し、写真整理を円滑に行ってくださいね。