近年、建設業界のDX促進により顧客管理システムの導入は、これからの時代を生き抜くためにも必要なITツールです。
顧客管理システムの導入により、顧客満足度の向上やマーケティング活動の最適化にも期待できます。
しかし、顧客管理システムは種類も多く、機能や料金も異なり「どのようなシステムを選ぶのが最適かわからない」という企業も多いのではないでしょうか。
この記事では、顧客管理システムの概要と選び方、おすすめの顧客管理システムを12選紹介しています。
無料版と有料版にわけて紹介しているため、企業の予算に合わせて選択しやすいでしょう。
ぜひ、最後までご覧ください。
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顧客管理システムとは?
顧客管理システム(CRM)とは「Customer Relationship Management」の略称で、顧客情報を管理するためのツールです。
顧客管理システムでは、顧客のプロフィール情報や企業で共有したい情報、訪問履歴や進捗状況などを管理し、効率的な営業活動を手助けしてくれるものです。
近年の建築業界でも、さまざまなニーズへの対応が求められるようになりました。
担当している顧客情報を細分化することで、自社への工事依頼を継続してもらえるためのマネジメントとして、顧客管理システムが活躍しています。
建設業界のDX化が進んでいる昨今では、顧客管理システムを導入している企業が増えています。
今まで利用していたエクセルで顧客管理を行う場合との違いを、下記にて詳しく解説しているので参考にしてください
エクセル管理との違い
顧客管理の方法は、エクセルもしくは顧客管理システムを導入している企業が大半です。
エクセルでの管理と顧客管理システムとの違いを下記の表でまとめました。
エクセル | 顧客管理システム | |
---|---|---|
メリット | 初期費用、ランニングコストがかからない 利用者を選ばない | 顧客情報を一元管理できる 担当者の引き継ぎが容易 データ計算や検索がスムーズ インターネットが接続できる場所であればどこにいても確認できる 他のツールとの連携がしやすい |
デメリット | 複数人での作業ができない データ量が増えると動作が遅くなる リアルタイムでの情報共有が難しい 外出先で顧客情報を見る際はUSBを持ち運ぶ必要がある | 初期費用やランニングコストがかかる 使い方を習得するまでに時間が必要 |
エクセルと顧客管理システムのどちらを導入するかは、企業の状況により異なります。
業務効率化や営業力の向上を目指すのであれば、顧客管理システムがおすすめです。
顧客管理システムを選ぶ際のポイント
顧客管理システムは多数ありますが、どのようなシステムを導入すればいいか迷う方に向けて、選ぶ際のポイントを紹介します。
選ぶ際のポイントは、次の4つです。
自社に適したシステムか
顧客管理システムはさまざまな機能を搭載しており、下記の種類に大別できます。
- 顧客管理に特化したシステム
- 顧客支援機能に特化したシステム
- 宣伝に特化したシステム
- 営業支援に特化したシステム
上記すべてを網羅した顧客管理システムもありますが、費用が高額になったり利用しない機能があったりする恐れがでてきます。
自社で必要な機能を明確にし、適切なシステムを選択することが重要です。
オンプレミス型かクラウド型か
顧客管理システムには、「オンプレミス型」と「クラウド型」の2種類があります。
導入前後での運用に違いがでてきますので、それぞれの特徴を把握しておくことが大切です。
下記の表を参考に、2種類の違いについて見ていきましょう。
種類 | 特徴 |
---|---|
オンプレミス型 | 自社専用のシステムを構築する クラウド型よりも導入コストが必要 カスタマイズが自由にできる |
クラウド型 | 既存のシステムを利用するため運用開始がスムーズ オンプレミス型よりも導入コストを抑えられる カスタマイズすると費用が増える可能性がある |
オンプレミス型は、自社に適したソフトウェアを構築できるため、必要な機能のみを搭載できます。基本的に契約時に料金を支払うだけなので、月々の支払いや使用期限もありません。
一方、クラウド型はサービス会社のシステムを利用するだけで、顧客管理ができます。ソフトウェアの構築もないため、運用から利用までスムーズに進められるのがメリットです。
オンプレミス型・クラウド型のそれぞれにメリット・デメリットがありますので、自社に適している運用方式を選択しましょう。
利用しやすい操作性か
顧客管理システムを導入する際、操作性は重要なポイントです。
システムを導入する利用者が使いやすくなければ、業務の効率化が難しくなり、求めている結果を得られないでしょう。
顧客管理システムは、さまざまな部署の従業員が利用することを考えなければなりません。
そのため、利用しやすく使い勝手のよい顧客管理システムを選ぶようにしましょう。
セキュリティ面
顧客管理は、取引先の情報が詰まった重要なデータです。
セキュリティ対策がしっかりとしたツールでないと、情報漏洩といったトラブルを引き起こしてしまいます。
セキュリティ面を見るポイントとしては、「操作権限」「ログ管理」「アクセス制限」などの機能が搭載されているかをチェックしましょう。
セキュリティ面と併せて、他社への導入実績を確認しておくと安心です。
【無料版】建築・建設業向け顧客管理システム6選
顧客管理システムの概要と選び方について詳しく解説してきました。
近年では、無料で利用ができる顧客管理システムも登場していますので、おすすめ6選を紹介します。
【1】WEBカスタマン
株式会社アクティブ情報サービスが提供している「WEBカスタマン」は、基本的な顧客管理を単純明快に行えることをコンセプトに作成されたシステムです。
さまざまな業種・業務に対応できるよう拡張性を備えているのが特徴です。
拡張性があるツールなため、自社のニーズに合わせたカスタマイズができます。
現場・営業を問わず利用できるので、初めて顧客管理システムを導入する方におすすめです。
【2】Fullfree
株式会社フリースタイルが提供している「Fullfree」は、ダウンロード・カスタマイズ・クラウド共有が無料で利用できる顧客管理システムです。
無料で利用でき、使用期限やサーバー不要で利用できることがメリットです。
また、自社独自の顧客管理システムを自由に作れます。
Fullfree はデータベースソフトなため、表の種類・項目・階層や他の表との関連付けなども、すべて自由自在に設定出来ます。
自由度が高い顧客管理システムを探している方におすすめです。
【3】HubSpot
アメリカのHubSpotが提供している「HubSpot」は、完全無料の顧客管理システムです。
無料のツールでありながらチームでのデータ共有ができるので、円滑な顧客管理ができます。
HubSpotは、GmailやOutlookなどのツールに対応しているため、導入のしやすさも嬉しいポイントです。
【4】Ambassador Relations Tool(アート)
株式会社コンファクトリーが提供している「Ambassador Relations Tool(アート)」は、顧客管理に必要な機能を無料で利用できます。
顧客管理の基本情報や対応履歴を一元管理できるので、スムーズな顧客管理ができます。
さまざまな業種に合うよう、自由にカスタマイズできることもメリットと言えるでしょう。
自社に合わせたカスタマイズができるツールを検討している方におすすめです。
【5】Oasis(オアシス)
「売上マネジャyーOasis(オアシス)受注顧客ベーシック」は、住宅建築・リフォーム会社専用の顧客管理システムです。
無料版でありながら、下記の内容を利用できます。
- 顧客情報のカスタマイズ
- ファイルの紐付け
- 登録内容からの条件抽出
- エクセル・既存ソフトからのデータインポート
住宅建築・リフォーム関連の企業におすすめの顧客管理システムです。
【6】フリーウェイ顧客管理
株式会社フリーウェイジャパンが提供している「フリーウェイ顧客管理」は、1,000データまで無料で利用できる顧客管理システムです。
フリーウェイ顧客管理のメリットは、次の通り。
- 3名まで無料でデータ共有が可能
- 操作しやすいシンプルな画面デザイン
- エクセル・Googleスプレッドシートのデータ共有
- 金融機関にも利用されているシステムを採用
フリーウェイ顧客管理は、初期費用や利用料をかけずに顧客管理を行いたい企業におすすめです。
【有料版】建築・建設業向け顧客管理システム6選
有料版の建築・建設業向け顧客管理システムを6選紹介します。
有料版でしか利用できない機能が豊富に搭載されているため、はじめて顧客管理システムを導入する企業におすすめです。
【1】サクミル
すごいベンチャー100にも選出された施工管理アプリがサクミルです。
顧客情報を案件やスケジュール、各種書類と紐付ける事が出来る為、一元管理が可能となります。
クラウド管理の為、ネット環境さえあればどこでも情報を確認できます。
サクミルは、30アカウント300GBで月額4,000円という業界最安水準のコストパフォーマンスが特徴的。
また利用者は40代~60代がメインの為、普段PCやスマホに慣れない人でも利用出来るよう、使いやすさにもこだわって作られています。
2ヶ月間の無料トライアルも用意されている為、下記公式HPからお試し利用をしてみてください。
【2】Aippear(アイピア)
株式会社アイピアが提供している「Aippear(アイピア)」は、工務店・リフォーム会社が選ぶ建築業向けの管理システムです。
アイピアを導入することで得られるメリットは、次の通りです。
- 過去の案件をすぐに確認できる
- 顧客情報の共有・管理がスムーズにできる
- リピート比率や集計などを簡単に分析可能
また、アイピアは顧客管理から現場管理、発注・請求などの建築業務に必要な機能をすべて搭載しているため、建築会社におすすめの顧客管理システムです。
機能面のメリット | ・建築業界に特化した管理システム ・PC操作が苦手な方でも利用しやすいインターフェース ・インターネットが繋がる場所ならどこでも利用できる ・顧客に合わせたカスタマイズができる |
料金 | 初期費用:132,000〜(税込) 月額:11,000〜(税込) ユーザー追加料金:1ユーザー/2,200円(税込) |
【3】Salesforce
株式会社セールスフォース・ジャパンが提供している「Salesforce」は、全世界15万社以上が利用している国内外でトップシェアを誇る顧客管理システムです。
実際にSalesforce導入後に達成された効果の平均値は、次の通りです。
- 顧客満足度の向上率:35%
- 投資対効果率:34%
- 現場対応スタップの生産性の向上率:32%
- 従業員維持率の向上率:32%
また、東急建設株式会社ではSalesforceと出会い、技術の礎となるシステムを1ヶ月で作り上げたという評価を得ています。(参照:Salesforce公式HP)
Salesforceは、企業の大小に合わせたさまざまな製品があるため、自社に足りない機能を補う形で導入するのも一つの手でしょう。
機能面のメリット | ・企業規模に応じた製品がある ・利用しやすいインターフェース ・顧客管理に必要な機能を網羅している |
料金 | 詳しくは公式ページからお問い合わせください |
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【4】eセールスマネージャーRemix
「eセールスマネージャーRemix」は、5,500社以上の導入実績と利用継続率95%の顧客管理システムです。
導入している企業は、大手企業から中小企業まで幅広く、企業規模に関係なく利用できるメリットがあります。
eセールスマネージャーRemixでは、下記の情報を一度の入力で自動反映できるのが魅力です。
- ダッシュボード
- タイムライン
- スケジュール
- 顧客・人脈情報
- 商談リスト
- 予算・実績情報
機能面のメリット | ・一度の情報入力でシステム全てに自動で反映 ・185業種以上で採用された万能な顧客管理システム ・システム定着率95%をほこるサポート体制 |
料金 | スケジュールシェア:月額/1ユーザーあたり 3,000円 ナレッジシェア:月額/1ユーザーあたり 6,000円 スタンダード:月額/1ユーザーあたり 11,000円 |
【5】Zoho CRM
直感的な操作性を求めているなら、顧客管理システムの「Zoho CRM」がおすすめです。
利用しやすいインターフェースを採用しているため、はじめて顧客管理システムを利用する方でも安心できるでしょう。
また、コストを抑えて運用できる点もポイントです。
初期費用が無料で、4種類のプランから自社に必要な機能を選択できるので、導入するハードルが低いことも魅力です。
機能面のメリット | ・見込み客を管理しながら効果的なアプローチができる ・取引先関連の情報を一元管理・現場ごとの進捗状況や金額を一元管理 ・見積書、請求書の自動作成機能 |
料金 | 初期費用:無料 スタンダート:1,848円(税込) プロフェッショナル:3,036円(税込) エンタープライズ:5,280円(税込) アルティメット:6,864円(税込) |
【6】kintone
kintone(キントーン)は、株式会社サイボウズが提供している顧客管理システムであり、累計20,000社以上・毎月500社以上が導入しています。
キントーンは、「日経コンピュータ 2022年 9月1日号 顧客満足度調査 2022-2023」クラウド基盤サービス(PaaS)部門において、4年連続第1位を獲得するほど評価されています。
(参照:PRTIMS)
実際に建設業で利用している企業も多く、使い勝手のいいインターフェースで、ITが苦手な方でも利用しやすいのが特徴です。
その他の顧客管理システムと比べると安価で導入できるため、はじめて利用する企業におすすめの顧客管理システムです。
機能面のメリット | ・ドラッグ&ドロップでシステム構築ができる ・100種類以上もの豊富なアプリ数・外部アプリとの連携が可能 ・充実したサポートが受けられる |
料金 | 初期費用:無料月額:858円(税込)〜 |
まとめ
建築業界では顧客データや工事の進捗状況など、把握する情報量が多く、エクセルや紙媒体による管理は困難を極めます。
また、出先ですぐに顧客情報を確認したい場合もエクセル・紙媒体の管理では、情報を確認できないため非効率的です。
顧客管理システムを導入することで、顧客情報の一元管理ができるので企業全体での効率的な管理ができます。
今回紹介した顧客管理システムを導入すると、「顧客満足度の向上」「売上の拡大」「業務効率化」を手助けしてくれます。
自社に最適な顧客管理システムを導入し、売上増加を目指しましょう。