【2024最新】インボイス制度が建設業に与える影響は?元請け・下請けそれぞれの対応事項と注意点を解説

【2024最新】インボイス制度が建設業に与える影響は?元請け・下請けそれぞれの対応事項と注意点を解説

インボイス制度によって各業界の受発注に影響が及んでいます。

建設業における元請け・下請けの立場も例外ではありません。

インボイス制度は建設業にどのような影響を与えるのでしょうか。

今回は、インボイス制度の概要をおさらいしつつ、建設業における元請け・下請けそれぞれの対応と注意点を解説します。

建設業におけるインボイス管理サービスも紹介しているので、インボイスへの対応にぜひお役立てください。

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目次

インボイス制度とは?

インボイス制度とは?

インボイス制度とは、適格請求書(インボイス)によって消費税額を正確に把握して適切な納税を実現するための制度です。

建設業において必ず理解しておくべきインボイス制度のルールや適格請求書の記載項目などを解説します。

インボイス制度のルール

インボイス制度で重要なルールを抽出してまとめます。

【ルール1:仕入れ税額控除を受けるには適格請求書を受領・保存する】

買い手が、仕入れ時に支払った消費税額を納税時の納税額から差し引くには、仕入れ先から適格請求書を受け取る必要があります。

適格請求書を受領・保存しないと仕入れ税額控除が受けられなくなり、余計な税金を支払うことになります。

【ルール2:免税事業者(売り手)はインボイスを発行できない】

年間売上高が1,000万円以下で、消費税の納税義務を免除されてきた免税事業者(売り手)は、インボイスを発行できません。

インボイスは課税事業者だけが発行できます。

【ルール3:免税事業者は任意で課税事業者になれる】

免税事業者(売り手)は任意でインボイス登録をすることで課税事業者になれます。

インボイス登録を申請して審査が終わると、登録番号を記載した通知書が事業者に届く流れです。

ルール1~3をふまえると、建設業においても仕入れ税額控除を受けるには、取引先の免税事業者に課税事業者になってもらう必要があります。

適格請求書の記載項目

従来の請求書を受領・保存しても仕入れ税額控除が受けられません。

インボイス制度にもとづき適格請求書を受領・保存する必要があります。

なお、不特定多数の者に対して販売等を行う小売業、飲食店業、タクシー業等などに係る取り引きについては、適格請求書ではなく適格簡易請求書を交付可能です。

建設業では適格請求書の受領・保存が求められるので、適格請求書の記載項目を把握しておくことが重要です。

建設業における適格請求書の記載項目は下記の通りです。

  1. 適格請求書発行事業者の氏名または名称及び登録番号
  2. 課税資産の譲渡等を行った年月日
  3. 課税資産の譲渡等に係る資産または役務の内容
  4. 課税資産の譲渡等の税抜価額または税込価額を税率ごとに区分して合計した金額および適用税率
  5. 税率ごとに区分した消費税額等
  6. 書類の交付を受ける事業者の氏名又は名称

すでにお伝えした通り、適格請求書発行事業者には登録番号が必要です。

通常の適格請求書では、適用税率については8%対象○○円、10%対象□□円のように税率ごとに区分して合計した対価の額を記載して、最終的に税率ごとに区分した消費税額がわかるように記載しなければなりません。

ただ、建設業の場合は軽減税率(8%)が適用されることがないため、基本的に消費税率「10%」と、10%の対象となる費用の「合計金額」10%で計算した「消費税額」などを表示します。

建設業の元請けにおけるインボイス制度の影響

建設業の元請けにおけるインボイス制度の影響

建設業における元請けとは、工事の発注者から工事の施工を直接請け負う業者です。

その一方で下請けとは、元請けから部分的な工事の施工を請け負う業者をさします。

建設業の元請けは下請けとともにインボイス制度の影響を受けます。

具体的には、インボイス登録をしていない下請けに仕事を発注すると、元請けの税負担が大きくなります。

まずは建設業の元請けにおけるインボイス制度への対応とし注意点についても解説します。

インボイス制度への対応

建設業においても、元請けはインボイス制度開始に伴い下記のような対応が必要になります。

  • 下請けがインボイス登録をしているか確認する
  • 下請けにインボイス登録をお願いする
  • 下請けに2割特例を説明する
  • 請求書の書式を変更して下請けに周知する
  • 新たな下請け業者を探す

それぞれ解説していきます。

下請けがインボイス登録をしているか確認する

下請けがインボイス登録をしていなければ適格請求書を発行してもらえず、仕入れ税額控除を受けられません。

したがって、まずは下請け業者がインボイス登録をしているかを確認します。

なお、インボイス制度では経過措置が設けられており、適格請求書を発行してもらえなくても当面は控除が受けられる体制です。

2023年10月から3年間は適格請求書がなくても8割の控除、2026年10月から3年間は5割の控除を受けられます。

2029年10月以降は全額控除不可となるので、早めにインボイス登録の状況を下請けに確認して対応することが重要です。

下請けにインボイス登録をお願いする

下請けがインボイス登録をしていない場合、登録の意思があるか確認しましょう。

可能であれば登録をお願いしてください。

インボイス制度の理解が不十分で登録していない下請けもいるかもしれません。

その場合はインボイス制度の概要を伝えて、登録に協力してもらえないか相談してみましょう。

下請けに2割特例を説明する

課税事業者になる下請けは経過措置である2割特例の対象です。

一定期間、本来納めるべき消費税の2割を国に納めるだけで済みます。

直近の税負担が少ないことがわかれば、登録を検討してくれるかもしれません。

下請けがインボイス登録に迷っていれば2割特例を説明して後押ししてみましょう。

請求書の書式を変更して下請けに周知する

これまで下請けから提出してもらっていた請求書の書式をインボイス制度に対応した書式に変更しなければなりません。

たとえば、適格請求書発行事業者登録番号の記載欄を追加します。

変更した請求書のファイルをホームページに掲載して、下請けにダウンロードしてもらいましょう。

新たな下請け業者を探す

新たな仕事を発注する場合、税負担を減らすためにはインボイス登録に対応している下請け業者を探す必要があります。

最近では、元請けと下請けをマッチングするサービスが登場しているので、活用を検討してみましょう。

注意点

建設業においても、インボイス制度以外に元請けが守らなければならない法律もあります。

インボイス制度の開始に伴い従来の法律に違反しないよう注意が必要です。

インボイス制度を巡る法律違反に関して下記2つの注意点をまとめたので解説します。

  • 免税事業者を理由に消費税相当額の支払いを断れない
  • 免税事業者を理由に一方的に取引を終了してはならない

免税事業者を理由に消費税相当額の支払いを断れない

建設業の取引が完了したあと、下請けがインボイス発行事業者でなかったことが、請求段階で判明するケースがあります。

免税事業者であることを理由に消費税相当額の支払いを拒むと、下請法に違反する恐れがあります。

下請法では下請代金の減額が禁止されているからです。

たとえば、報酬総額22万円の契約をしていた下請けが、請求段階でインボイス発行事業者ではないとわかったとしましょう。

この場合、消費税相当額の2万円を支払わないと下請法に違反するかもしれません。

請求書にインボイス番号がないからといって、消費税相当額の支払いを拒まないように注意してください。

免税事業者を理由に一方的に取引を終了してはならない

取引先の免税事業者がインボイス登録をしてくれない場合、税負担の増加から別の課税事業者に仕事を依頼したくなるかもしれません。

しかし、免税事業者を理由に一方的に取引を終了すると、独占禁止法に違反する恐れがあります。

たとえば、「インボイス登録に対応していただけない場合、今後の取引は終了となる可能性もございます」のように通知してはなりません。

口頭はもちろん、文書やメール、ビジネスチャットなどで、下請けに取引終了を連想させる表現を使わないように注意しましょう。

なお、インボイス登録の協力をお願いすることは問題ありません。

経過措置もあるので、焦らずにインボイス制度の対応について話し合う姿勢が重要です。

建設業の下請けにおけるインボイス制度の影響

建設業の下請けにおけるインボイス制度の影響

ここまでご説明した内容からもわかる通り、建設業においてインボイス制度の影響を受けるのは、元請けだけでなく下請けも同じです。

下請けはインボイス制度によって仕事の受注に不都合が生じます。

具体的にはインボイス登録をすると税負担が増えるほか、登録をしないとほかの登録業者に仕事を奪われやすくなります。

引き続き、下請けにおけるインボイス制度への対応と注意点を詳しく確認してみましょう。

インボイス制度への対応

建設業においても、下請けはインボイス制度開始に伴い下記のような対応が必要になります。

  • インボイス登録の必要性を検討する
  • インボイス登録を行う

それぞれ解説していきます。

インボイス登録の必要性を検討する

下請けが免税事業者の場合、これまで元請けから支払われた消費税を国に納税する必要はありませんでした。

しかし、下請けがインボイス登録をすると課税事業者となるため、登録後は消費税を支払わなければなりません。

手取りが減るので、安易にインボイス登録をすると損をする恐れがあります。

ただ、インボイス登録をしている下請けでなければ適格請求書を発行できず、元請けが仕入れ税額控除を受けられません。

新規顧客を開拓したい場合には、インボイス登録をしていないと仕事を受注しづらいです。

インボイス登録の必要性を慎重に検討しましょう。

インボイス登録を行う

インボイス登録が必要だと判断したら、納税地を所轄する税務署長に登録を申請しましょう。

ただ、登録申請書を見ると記入事項が多くて、申請をためらってしまう方もいるでしょう。

国税庁は登録申請書を効率的に作成するためのフローチャートを用意しています。

フローチャートでは簡単な質問にYES・NOで答えるだけで、一部のチェック欄が記載された様式をダウンロードできる仕組みです。

免税事業者は登録希望日から課税事業者になれます。

登録希望日については、インボイス制度が開始された日ではなく、提出日から15日以降の日を記載します。

提出日の入力だけで登録希望日を計算できるExcelも用意されています。

登録にあたってフローチャートやExcelファイルを活用してみましょう。

参照:申請手続(国税庁)

注意点

建設業においても、下請け側は元請けと交渉しながらインボイス制度に対応する場合が出てきます。

しかし、元請けの対応が必ずしも正しいとは限りません。

法律に違反しているケースも想定されます。

下請けが把握しておきたいインボイス制度に関する注意点として書き2つを確認してください。

  • 必ずしも課税事業者になる必要はない
  • 課税事業者になったら価格交渉の権利がある

それぞれ解説します。

必ずしも課税事業者になる必要はない

下請けがインボイス登録をしないと、元請けが仕入れ税額控除を受けられず、新規契約に影響が出る恐れがあります。

ただ、元請けの注意点でもお伝えした通り、既存契約に関しては独占禁止法により、免税事業者を理由に一方的に取り引きを終了できません。

下請けは課税事業者になる義務はないので、元請けから高圧的にインボイス登録を迫られたとき、必要がなければ登録をしない旨を伝えましょう。

課税事業者になったら価格交渉の権利がある

下請けがインボイス登録をして課税事業者になったとしましょう。

その場合、消費税の納税で手取りが減ってしまうため、元請けに価格交渉をお願いすることになるでしょう。

ただ、価格交渉に応じてもらえず、一方的に単価を据え置きされ、泣き寝入りせざるを得ないケースも想定されます。

下請けが課税事業者になったのに、元請けが免税事業者を前提に行われた単価からの交渉に応じず、従来の単価を据え置いて発注するのは不適切な行為です。

下請法で買い叩きとして問題になる恐れがあります。

価格交渉に応じてもらえない場合は、下請法を根拠に再度交渉を持ちかけてみましょう。

インボイス対応の請求書受領・発行におすすめの製品

インボイス対応の請求書受領・発行におすすめの製品
引用元:Bill One公式サイト

建設業におけるインボイス対応におすすめの製品が「Bill One」です。

「Bill One」は、あらゆる請求書を受領して請求書業務を効率化するインボイス管理サービスです。オンライン受領からデータ化(スキャン)までの代行、申請・承認フロー、会計ソフト連携といった機能も備えています。

適格請求書もデータ化して要件を自動でチェックできます。適格請求書を正しく受領・保存できるので、仕入れ税額控除を受け損ねるリスクを減らせます。

なお「Bill One」では適格請求書の受領だけでなく、適格請求書の発行にも対応しています。

建設業における請求書受領・発行に悩んでいる方は「Bill One」の利用を検討してみてはいかがでしょうか。

まとめ

まとめ

インボイス制度の概要をおさらいし、建設業で必要になる対応、注意点について元請け・下請けのそれぞれについて解説しました。

インボイス制度は、適格請求書によって消費税額を正確に把握して適切な納税を実現するための制度です。

元請けは適格請求書を受領・保存することで仕入れ税額控除を受けられます。

ただし、適格請求書は免税事業者では発行できないので、控除を受けるには下請けにインボイス登録をしてもらわなければなりません。

その一方で、インボイス登録は義務ではなく、下請けは各自の判断で登録を検討します。

元請けは免税事業者を理由に既存取り引きを中止すると独占禁止法に違反する恐れがあります。

課税事業者になった取引先の価格交渉に応じないと下請法にも違反するかもしれません。

インボイス制度の対応を誤ると、元請けは法律違反を犯し、下請けは悪質な元請けに搾取される恐れがあります。

建設業においても、元請け・下請けがインボイス制度について正しく理解し、協力してインボイス制度に対応していくことが重要です。

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