工事写真を撮り忘れた場合どうなる?防止対策や工事写真の必要性まで解説

工事写真を撮り忘れた場合どうなる?防止対策や工事写真の必要性まで解説

多忙な現場での施工管理をしていて、事務所に戻った時に工事写真を撮り忘れていたことに気づいてしまう方も多いのではないかと思います。

現場での撮り直しには時間と手間がかかりますし、撮影が必要な施工箇所が既に見えなくなってしまい撮り直しができないというケースも多々あるでしょう。

工事写真は、施工の完了を証明する重要な証拠となります。本記事では工事写真を撮り忘れた場合のリスクや対処方法、防止対策について詳しく解説します。

工事写真の重要性を理解した上で、適切な対策を講じることで、トラブルを未然に防ぎましょう。

目次

工事写真撮影の必要性とは

工事写真は、工事の過程を記録するための重要な証拠となります。

例えば、施工前の状態、施工の進捗状況、完成後の状態など各段階の写真を撮ることで、工事の全体像を把握することができます。また、工事が適切に行われたことや工事で作ったものの出来形の証明、作られたものの材料の検収結果など、設計図通りのものが作られたことを証明するための資料としても使用されます。

立場によって変わりますが、発注者や監督者に対する報告資料としても重要です。発注者に対しては、工事の進捗状況を報告するために写真を使用し、信頼関係を築くことができます。また、監督者に対しては、現場の状況を正確に伝えるために写真を使用し、適切な指示を仰ぐことができます。

その他にも施工ミスや不具合が発生した場合、写真を基に原因を特定し、迅速に対処することができます。

さらに、工事写真の撮影は、保険の請求や法的問題の解決にも役立ちます。例えば、自然災害や第三者の過失による損害が発生した場合、写真があれば証拠として提出することができます。

上記の通り、工事写真は工事における様々な場面で重要性が高く、適切な撮影が求められます。

工事写真を撮り忘れたらどうなる?

工事写真を撮り忘れたらどうなる?

工事写真を撮り忘れると、さまざまなリスクが発生します。次に、撮り忘れた場合のリスクと対処方法について詳しく解説します。

工事写真を撮り忘れた場合のリスク

  1. 証拠の不足による再施工のリスク

施工したものに対して、設計図通りのものを作ったのかを証明するものがない場合、発注者から作り直しを求められることがあります。作り直しが発生した場合、工期の延長や、作り直しにかかる余分の金額が発生する可能性があります。

  1. 施工ミスの証拠不足

施工ミスや不具合が発生した場合、原因を特定するための証拠となるものが必要になります。工事写真もその役割を担います。工事写真がないと、どの段階で問題が発生したのかを把握することが難しくなります。施工ミスが発見されても、証拠がないと対処が遅れ、結果として工事の進行が大幅に遅れることがあります。

  1. 関係者同士でのコミュニケーションの質の低下

関係者同士で現場の状況などを共有をするときに工事写真がないとお互いに共通の認識を持つことができず、円滑なコミュニケーションをとることができなくなります。現場は常に変化しているので、工事写真はお互いの共通認識をとるのに適しているので、有効に活用しましょう。

  1. 発注者・監督者との信頼関係の低下

発注者や監督者に対する報告資料が不十分になると、信頼関係が損なわれる可能性があります。工事の進捗状況を正確に報告できないと、発注者や監督者の不安を招くことになります。信頼を失うことで将来的な契約に影響を与える可能性があります。

  1. 災害などの緊急時対応の金銭トラブル

自然災害時などの緊急時の対応に時間とお金がかかることはよくあります。後々、発注者に緊急対応にかかったお金を請求する際に証拠として提示できるものがないと対策・対応をしたのにも関わらず、お金を支払ってもらえない可能性が発生します。

撮り忘れた場合の対処方法

  1. 過去記録の確認

既存の写真や資料を確認し、必要な情報を補完します。過去の記録を基に、現在の状況を把握し、報告資料を作成します。例えば、過去の工事写真を参照し、類似の状況を確認することで、必要な情報を補完します。また、工事の進捗状況を詳細に記録している報告書を参考にすることも有効です。

  1. 関係者へのヒアリング

自分が工事写真の担当の場合でも他にも現場に施工管理をしている人がいる場合は偶然撮り忘れた箇所の工事写真を撮っている可能性があります。関係者にヒアリングをすることで撮り忘れた工事写真を補完することができる時もあります。お互いに担当ではない場合でも工事写真を撮っておくことで、お互いの工事写真の撮り忘れのリスクヘッジをすることできます。

  1. 現場での再撮影

工事写真台帳や報告書を作成するにあたり、必須となる工事写真を撮り忘れた場合は、作業の手戻りが発生する場合でも再撮影をした方がよいケースがあります。作業の手戻りによって工程が遅れる可能性はありますが、施工が完了した後に発注者・監督者から指摘をされて再施工をする場合よりも、低コストで対策することができます。

  1. 報告資料の作成

工事写真を撮り忘れた場合でも、他の方法で収集した情報を基に報告資料として提出することで、許容してもらえるケースもあります。報告資料を提出せざるを得ない状況になった場合は発注者や監督者に対して、誠実に状況を説明し、適切な対処を行うようにしましょう。

工事写真の撮り忘れ防止対策

工事写真の撮り忘れ防止対策

工事写真を撮り忘れないためには、事前に対策を講じることが重要です。以下に、具体的な防止対策を解説します。

施工前の撮影計画の策定

工事が始まる前に、撮影計画を策定します。どのタイミングで、どの箇所を撮影するかを事前に決めておくことで、撮り忘れを防ぐことができます。

計画には、各工程ごとの撮影ポイントや注意事項を詳細に記載します。施工前、施工中、施工完了後の各段階で必要な写真をリストアップし、撮影のタイミングを明確にします。

また、撮影計画を立てる前に、対象の工事がどの工事写真撮影要領に準じて撮影をすれば良いのかを必ず確認をしましょう。

当日の作業計画書に撮影スケジュールを追記

作業計画書に撮影スケジュールを追記し、現場の全員が撮影のタイミングを把握できるようにします。作業計画書で事前に共有をしておくことで、作業と撮影の両方を円滑に進めることができます。

作業計画書に撮影スケジュールを記入する仕組みを作るだけで、工事写真の撮り忘れを防くことができるケースは多いです。

担当者の選定

事前に撮影担当者を明確に選定し、責任を持って撮影を行うようにします。

担当者には工事の全体像を理解している人物を選定して、適切な指示を与えることで、撮り忘れの防止をすることができます。担当者の選定は、工事写真の品質と一貫性を確保するために重要です。可能であれば、経験豊富な方に担当してもらうことで、撮影のミスを最小限に抑えることができます。

とはいえ、人材不足が囁かれる建設業においては新人などが担当者になることも多いです。その場合は工事写真の重要性から撮り方、撮影機材の操作方法や注意点についても、事前に研修等を行うことで、工事写真として使える写真を担当者が撮影できる状態にしておくことが重要になります。

撮影担当者は、現場の進捗をリアルタイムで記録し、必要な写真を確実に撮影する役割を担います。撮影後のデータ管理や報告資料の作成も担当者の重要な業務です。これにより、工事の進行状況を正確に記録し、問題が発生した場合には迅速に対応することが可能になります。

現場の関係者全員への周知

工事写真の撮影計画や撮影の重要性について、現場の作業員の方を含めて、全員への周知を徹底することも非常に有効な手段になります。

現場の関係者全員に撮影の予定を共有しておくことで、万が一、撮影の担当者が不在であったり、写真を撮影することを忘れていた場合でも、現場の作業員の方などがリマインドしてくれることで撮り忘れを防ぐことができることがあります。

また、事前に具体的にどのタイミングで工事写真を撮影する必要があるのかを共有しておくことで、現場のメンバーとのハレーションを防ぐことにも繋がります。

毎日の朝礼や昼礼など現場のメンバーが集まるタイミングなどで撮影のスケジュールを確認し、メンバー全員に役割を明確に伝えることが写真の撮り忘れを防ぐことに繋がります。

工事写真の必要性を理解して、撮り忘れ防止対策の徹底を

本記事では工事写真の撮り忘れの防止対策から、撮り忘れた時の対応などについて解説しました。

工事写真を撮り忘れることは、多くのリスクを伴います。しかし、事前に適切な対策を講じることで、撮り忘れを防ぐことができます。工事写真の撮影は、工事の進行状況を記録し、発注者や監督者に対する報告資料として重要な役割を果たすことになるので、今回、紹介した防止対策を実践して、リスクを減らしましょう。

また、工事写真の撮り忘れを防ぐためには工事関係者全員への周知と理解、協力が重要になります。必ず朝礼などで全員に共有して、関係者全員で工事写真の撮り忘れを防止しましょう。

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