「土木積算ソフトを導入するメリットは?」
「無料ソフトと有料ソフトでは、どこが違うの?」
「選ぶときの基準や、おすすめの積算ソフトを知りたい」
土木積算ソフトの購入を検討するとき、以上のような疑問や不安を持つ方も多いのではないでしょうか。
現在、土木工事を含む公共工事の入札では、積算ソフトを活用することが当たり前になりつつあります。
しかしまだ、積算ソフトの導入を検討中、あるいはもっと精度の高い積算ソフトを探しているという企業も多いようです。
この記事では、土木工事における積算の概要や土木積算ソフト導入のメリット、選ぶ際の基準について解説します。
また、おすすめ土木積算ソフトと無料積算ソフトについても紹介していますので、ぜひ最後まで読んで参考にしてください。
経理人材不足にお悩みの企業様へ!
『Bill One(ビルワン)』
\ 3分でわかるBill One /
インボイス・電帳法対応のクラウド請求書管理サービス『Bill One(ビルワン)』は、請求書の受領と電子データ化(スキャン)を代行、経理業務の省人化に活用できます。
受け取り請求書100件/月まで無料利用可、申請/承認・一覧表示・仕分け入力・会計ソフト連携などの機能もあり、部署を横断する社内の請求書を一元管理することができます。
土木工事における積算とは?
積算とは、工種ごとの作業の歩掛を積上げて合計し、直接工事費を算出することです。
直接工事費に所定の経費を付加すると工事価格になります。
積算ソフト導入の検討をする際には、積算の重要性について再確認しておくことも必要です。
積算について、歩掛と土木工事という2つの視点から詳しく解説します。
積算と歩掛
積算では、各作業の歩掛を積上げて工種ごとの金額を算出しますが、歩掛とは材料費に施工費をプラスしたものです。
言い換えると、歩掛は、工事を施工するために必要な材料・労務・機械にかかる費用の合算ということになります。
歩掛は、材料や施工方法によって違ってきますから、国土交通省が公表している「公共建築工事標準単価積算基準」や「土木工事工事費積算要領及び基準の運用」などの最新版を参考にすることがほとんどです。
これらの積算基準にない歩掛は、建設物価や積算資料、メーカーなどの最新の実勢単価を基に材料費を算出して、工事条件や施工方法を考慮した施工費を合算します。
いずれにしろ、常に最新のデータを準備しておかなければ、正確な積算はできません。
公共工事と積算
上記の表は、土木工事など公共工事の工事費の構成を示したものです。
工事費の基礎になり、最も重要になるのは「直接工事費」です。
そしてこの直接工事費を求めるときに必要なのが「積算」になります。
各共通費は、直接工事費及び直接工事費と前項の経費の合算金額で費率が確定しますが、共通仮設費と現場管理費では別途積上げ額が生じることもあります。
積算では、発注者が公表した設計図書や仕様書などを分析し、ライバル(競合会社)に負けない、尚且つ適正な積算が求められます。
間違った積算によって請け負った工事が赤字工事になれば、企業にとって大きな不利益となるので細心の注意を払わなければなりません。
積算ソフトを導入するメリット
企業の利益を左右しかねない積算業務に、積算ソフトを導入するメリットを以下の3点に集約して解説します。
ただし、すべてのソフトが同様の機能を持っているわけではないので、自社のニーズを満足させる積算ソフトを選択することが重要です。
- 積算の精度を上げる
- 積算業務を省力化できる
- 最新データを活用できる
積算の精度を上げる
積算ソフトを導入することで、担当者の技量に左右されることなく、積算の精度を上げることができます。
土木の積算には、各官庁や地域ごとに特徴や傾向があり、積算基準も毎年のように少しずつ改定されています。
また施工箇所が点在する工事と点在しない工事では積算結果が大きく異なるというのも重要なポイントです。
このような土木積算のポイントを把握していないと、単価として参照すべきものが違ったり、発注者の意図する条件や処理方法とずれた結果になったりします。
人力のみでこれらのポイントをチェックし、常に最新の情報に更新する業務は、かなりのスキルが必要です。
そのため担当者による精度の差が生じて、業務の属人化も起きやすくなります。
自社のニーズに適応した積算ソフトを導入すれば、担当者のスキルに関係なく、社内標準による高い精度の積算が可能になります。
積算業務を省力化できる
積算業務は細かい作業の連続であり、作業期間は短く、急がされることも多いです。
そのため心身ともに大きな負担となる業務です。
しかし、積算ソフトを導入すれば、業務の効率は格段にアップし省力化できます。
まず、積算業務で最も手間と時間がかかる材料の拾い出しを自動化できます。
CAD図面や意匠図から数量を自動集計できるので、拾い漏れを防ぎ大幅なスピードアップを実現できるのです。
工事別、目的別に数量の集計を確認できて、変更も一括で行うことができます。
過去見積もりから拾い出し項目や工事項目を再利用することも可能で、取得したデータを他のプログラムに活用することも可能です。
これらの業務を限られた期間内に人力のみで行うには、相当の工数が必要になり、人為的ミスも起きやすくなります。
しかし積算ソフトがあれば、図面や設計書をPDF化して読み込ませるだけで積算業務ができます。
最新データを活用できる
積算ソフトを活用すれば、最新データを簡単に共有・活用できるので、企業にとって大きなメリットになります。
自社で蓄積した積算データを一括管理できるので、過去のデータ検索が簡単にできます。
ソフトによっては、積算データをそのまま見積書作成に活用できたり、施工計画書作成や施工管理に活かしたりすることも可能です。
「建設物価」「Web建設物価」「土木コスト情報」「建築コスト情報」などに掲載している価格情報を単価データファイルとして利用できる積算ソフトもあります。
データはクラウド上で蓄積するので、各現場や部署からいつでも誰でも簡単にアクセスできて、蓄積したデータやノウハウを社内標準化してテンプレート化することもできます。
データを簡単に連携できるので、材料や労務、利益管理もリアルタイムで確認可能です。
積算ソフトを選ぶ際の基準は?
積算ソフトの導入には、さまざまメリットがありますが、実際にどのようなソフトを選ぶかで悩む方は多いのではないでしょうか。
ここでは、数ある選択肢の中から積算ソフトを選ぶ際の基準について、以下の4つのポイントで解説します。
- 操作性の高さ
- サポート体制
- 発注者・地域性に対応
- 自社が必要とする機能
操作性の高さ
細かくて複雑な計算が連続する積算業務では、ソフトの操作性の高さは最重要ポイントといえます。
積算ソフトは操作が簡単であると同時に、入力後の確認・見直しも簡単なものを選びましょう。
レイアウトがわかりやすく、ストレスフリーで長時間の業務をこなせるものがベストです。
工事の規模が大きくなると、地域や工種、工事内容などで階層ごとに積算する必要性がでてきます。
大規模工事が多い企業では、階層に対応した積算ソフトを選んでおくと操作が容易になります。
サポート体制
積算ソフトを選ぶ際は、サポート体制が整っているかも大切なポイントです。
土木を含む積算ソフトは、どんなに操作性の高い製品を選んでも、最初は慣れるまで時間がかかるものです。
また、どんなにマニュアルを精読していても、実際に動かしてみると必ず疑問点がでてきます。
いざというとき素早く対応してくれて、遠隔操作も行ってくれるようなサポート体制が望まれます。
契約前に、サポート体制についても内容をしっかり確認しておくことが必要です。
発注者・地域性に対応
競合他社に負けない精度の高い積算を狙うなら、発注者や地域性に対応した積算ソフトを選ぶべきです。
いわゆる「ローカル積算」に対応しているかどうかです。
ほとんどの積算ソフトは、国土交通省の積算業務に対応していますが、発注者や地域によって積算の基準や方法にはクセがあります。
このクセに対応していないと正確な積算額を算出することはできません。
自社が必要とする機能
ローカル積算など積算ソフトの機能について検討するとき重要なのは、まず自社が営業の対象とする発注者や地域性、業種などを明確にして必要な機能を検討することです。
そうすることで、ローカル演算だけでなく、インストール型よりクラウド型が必要、BIMモデルとの連携を行うべき、データを他の業務と共有したいなど必要な機能が明確になります。
土木の積算ソフトは無料でも使える?
土木の積算ソフトには、無料のものもありますが、実際に使うにあたっては機能面の特徴をしっかり理解しておくことが大切です。
ここでは、おすすめのフリーソフトを3つ紹介します。
また無料の積算ソフトを導入する際の注意点についても説明します。
井解-Seikai-積算システム
土木積算システムの本体Ver.3をフリーソフトとして公開しています。
しかし改定された積算基準データの購入は必要です。
ユーザーがメンテナンスできるので、面倒でなければ自分で更新することは可能です。
機械損料の割増にも対応した細かな積算ができて、施工条件による代価表数量の変化を、歩掛ごとに異なるプラグインで算出できます。
国土交通省の施工パッケージ型積算基準のExcelデータを直接読み込めます。
動作OSは、Windows 10/8/7/Vista/XPです。
公式HP:http://dogmarksystem.com/LineUp/lineup.html
Excel積算ソフト
Excelの使用感で積算ができるフリーソフトです。
Excel同様に誰でも容易に使用できるように設計された積算ソフトです。
拾い出しはすべて自動計算で基本的に電卓は不要となっています。
マスタ機能を搭載しており、登録しておいた単語や既出の項目を簡単に一覧表示できます。
見積書作成も可能で、工事やシート別に24パターン以上の見積書を作成することが可能です。
ただし、使用期間や使用回数に制限があり、それを超過すると利用料金がかかります。
Excel積算ソフトは、Excelを使用できる環境であれば問題なく使用できますが、「積算ソフト」というタブがあるのは2007以降です。
公式HP:https://soft.officelabo.net/soft1.html
fs積算System
土木工事の積算、実行予算書作成、原価分析作成などをサポートするフリーソフトです。
代価・単価登録が可能で、新規積算に活用できます。労務単価を最新単価に変更可能で、受注後の出来高調書や原価管理を行うことができます。
動作OSは、Windows 11/10/8/7/Vista/XP/Me/2000/NT/98です。
公式HP:https://www.vector.co.jp/soft/win95/business/se205474.html
【フリーソフト導入の注意点】
フリーソフトは、機能が限定的で、それを超えると有料となるケースが多いことです。
他のシステムやソフトと連携できないことも多く、既存の自社データを取り込めないこともあります。
フリーソフトを検討する際は、あくまで一部業務のサポートにとどめるか、お試しとして使用して機能に問題がなければ有料に移行するという前提で考えたほうが無難です。
土木積算ソフトおすすめ【6選】機能・価格を比較
ここでは、おすすめの土木積算ソフトを6つ紹介します。
まず、各ソフトの概要を表で比較し、それぞれのおすすめポイントと動作環境について解説します。
ATLUS NEXT | GOLDEN RIVER | Gaia Cloud | 頂 | 施工管理+α | anymore | |
---|---|---|---|---|---|---|
初期費用 | 要問い合せ | オープン価格 | 要問い合せ | 0円 | 220,000円 | 0円 |
月額費用(税別) | 要問い合せ | オープン価格 | 要問い合せ | 270,000円(年払い) | 19,580円〜 | 要問い合せ |
操作性 | さまざまな高精度の自動処理機能 | 電子マニュアル簡単更新 | 「やさしい積算」で流れるような操作性を実現 | 積算初心者向け・シンプルで使いやすい | 建設会社が開発した圧倒的な操作性 | LINEで全ての機能が完結 |
サポート | 地域密着型の専任サポート体制 | 保守サポートサービスリモートサポート | サポート専用チャンネル有り | 専任者による無料サポートリモートサポート | 365日年中無休のサポート体制を準備 | 初期データのセットアップ、使い方のレクチャーを無償で実施 |
地域性 | 全国都道府県を網羅して対応 | 全国を6つのブロックで対応 | 購入時に確認が必要 | 購入時に確認が必要 | 購入時に確認が必要 | 購入時に確認が必要 |
セールスポイント | 従来品との比較画面遷移7倍検索速度10倍積算アシスト53倍 | 積算スキルの差を解消電子設計書の取込自動処理アシスト | データの自動更新・全自動積算30年以上にわたる技術の積み重ね | 時代の変化に対応する単年度契約14日間の無料体験版有り | オールインワンの施工管理アプリで無料トライアル2ヶ月間 | 初期費用0円で導入しやすい |
ATLUS NEXT
「ATLUS NEXT」は、公共土木積算システム「ATLUS REAL Evo(2017年発売)」の最新版の扱いです。
さまざまな高精度の自動処理機能で、積算の手間と作業時間を短縮しているのが特徴です。
最新・最適な単価・歩掛データを常に更新することにより、積算精度の高さを維持しています。
全国各地域に配置された、地域密着型の専任サポート体制が確立されており、顧客から高い評価を得ています。
【動作環境】
対応OS|Windows10/11
推奨CPU|Intel Core i3以上
推奨メモリ|8GB以上
必要HD容量|インストール時 5GB以上
GOLDEN RIVER
「GOLDEN RIVER」は、画面周りを一新し、レスポンスの速さと使いやすさを向上させました。
Excel・PDF形式の電子設計書の取り込みだけでなく、積算画面と参照ページを連動表示させることができるので、効率よく積算業務を行えます。
また積算画面上に経費をリアルタイムに表示し、進捗状況を瞬時に把握できて、微調整も簡単です。
処理スピードと使いやすさ、地域に応じた充実したデータが特徴となっています。
動作環境
対応OS|Windows10/8.1
推奨CPU|Intel Core i3以上(推奨Intel Core i5以上)
推奨メモリ|4GB以上 ※OSが推奨する環境以上
必要HD容量|5GB以上(推奨10GB以上)
GaiaCloud
「GaiaCloud」は、ドラッグアンドドロップで取り込んだ設計書から積算条件を取得し、自動設定する「全自動積算」機能を搭載した最新の土木積算ソフトです。
最新データをリアルタイムに使えるクラウド環境のメリットに加え、シームレスな4ステップによる正確で流れるような操作性で支援するのが特徴です。
シームレスな4ステップとは、以下の4つの手順です。
- 設計書の取込
- 取込方法の選択
- 全自動積算
- 工事費の確認
動作環境
対応OS|Windows10/8.1の各日本語版
推奨CPU|OSが推奨する環境以上(推奨:2GHz以上)
推奨メモリ|OSが推奨する環境以上(推奨4GB以上)
必要HD容量|インストール時の空き容量:10GB以上
頂
「頂」は、本当に必要な機能だけを厳選した、コストパフォーマンス重視の土木積算ソフトです。
操作性をより簡易にするために、余計な機能を省略し、画面切り替えを少なくして連続入力を簡単にしています。
これにより、初心者にとっても使いやすい設計となっています。
発注者の多種多様な設計書を、イメージ通りに入力でき、金抜き設計書の取り込みも可能です。
入力ミスをなくすためのさまざまなチェック機能も備え、安心して使用できるのが特徴です。
動作環境
対応OS|Windows10/8.1の(32bit/64bit版)
推奨CPU|Core2 Duoシリーズ以上または同クラス
推奨メモリ|8GB以上
必要HD容量|10GB以上(SSD推奨)データの年度・地区により異なる
施工管理+α
「施工管理+α」は、建築会社が開発した現場管理から受発注まで行えるオールインワンの施工管理アプリです。
受発注機能により、見積書〜発注書の作成・管理が可能です。
見積作成時に発注額(利益率)を計算出来るので、効率よく予算組みが出来、発注先も登録された協力業者より選
択方式で選べます。
またレポート機能で、確認月の請求額・請求書の枚数だけでなく、売上額は棒グラフで表示し、利益率を折
れグラフにて表示、同時に月別売上額、発注額、利益率、売上前年同月比を表示することまで可能。
煩雑な積算業務の効率化が期待できます。
その他、施工管理+αは、標準機能として工程表やタスク管理、報告書作成機能や写真管理まで追加料金は一切かからず利用が可能。
無料トライアルも2ヶ月間用意されているので是非、下記公式HPを確認してみてください。
anymore
“現場の方が一番使いやすい形”を追求して作られたオールインワンの施工管理アプリがanymoreです。
anymoreは、複数の案件毎にワンクリックで発注書を作成することが可能。
発注データも案件毎にまとまるので、発注先の商社や施工店に対する月々の支払いも簡単に管理できます。
仕入れの締め状況の管理にも繋がる為、支払いミスや計上後の修正ミスなどの防止にも役立ちますね。
その他、anymoreの特徴はLINEで全ての機能が利用できる点にあります。
それでいて、施工現場に必要な機能を網羅しているので、初めて施工管理アプリを導入したい企業にもおすすめのアプリです。
初期費用は0円で無料トライアルも1ヶ月用意されているので、まずは下記公式HPから使用感を試してみてください。
まとめ
ここまで、土木の積算ソフトについて解説してきました。
主な内容は以下の通りです。
- 土木工事における積算の概要
- 土木積算ソフトを導入するメリット
- 土木積算ソフトを選ぶ際の基準
- 無料の土木積算ソフトについて
- おすすめの土木積算ソフト6選
土木工事におけるITやICT技術の本格的な導入に呼応して、積算業務においてもさまざまなシステム環境の整備が進んでいます。
また、建設業における働き方改革などの影響もあり、積算ソフトを導入した土木積算の効率化は時代のすう勢だといえるでしょう。
自社の営業や業務を見直し、適切な機能を備えた土木積算ソフトの導入を検討すべき時期にきているものと考えます。