製図アプリ(CADアプリ)と耳にすると、PC版を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
近年、スマートフォン・タブレットでも利用できる製図アプリが多く開発されています。
この記事では、製図アプリでできることやPC版CADとの違いおすすめアプリ5選を紹介しています。
製図アプリは、図面の持ち運ぶ手間を削減できたり、円滑な現場管理ができたりとメリットが多いので、ぜひ最後までご覧ください。
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製図アプリ(CADアプリ)でできること
製図アプリ(CADアプリ)とは、スマートフォンやタブレット端末を使って、製図機能を利用できるアプリのことです。
製図アプリでできる主な機能面は、次の通りです。
- 図面データの読込、書出、編集、保存
- クラウドを利用したデータ共有
- タッチパネルを利用した操作
製図アプリでは、図面の読込・書出ができるほか、アプリによっては図面データを編集できるものもあります。
また、製図アプリの多くは、クラウドを介してデータを保存します。
クラウドに接続するだけでデータ共有ができるため、複数人での作業を円滑に進められるのが特徴です。
製図アプリは、タッチパネルを利用した直感的な操作性も魅力の一つです。
PC版CADとの違い
PC版のCADとの違いは、使える機能です。
PC版CADは、機能のすべてを利用できますが、製図アプリは複雑な機能が使えないようになっています。
アプリで利用できるのは、簡単な機能になりますが現場にいながらでも利用できるというメリットがあります。
複雑な製図はPC版で行い、現場でアプリを利用していくというのが主流となっていくでしょう。
製図アプリを利用する事前準備
製図アプリを円滑に利用するには、事前準備が大切です。
製図アプリの多くは、スマートフォン・タブレットの本体からデータを開くのではなく、外部ストレージを介してデータを開きます。
有名なクラウドストレージサービスをあげると、「OneDrive」「iCloud」「Dropbox」などがあげられます。
上記で紹介したサービスは、事前登録が必要になるため、製図アプリを利用する前に準備しておきましょう。
おすすめの製図アプリ5選(CADアプリ)
おすすめの製図アプリ5選を紹介します。
それぞれ、無料・有料や機能面での違いがあるので、企業に必要な機能をもとに選択してください。
【1】AutoCAD
「AutoCAD」は、世界的シェアを誇るCADソフトのモバイルアプリ版です。
Autodeskの純正アプリなため、「AutoCAD」「AutoCAD LT」のデータをそのままスマホ・タブレットで利用できるのが特徴です。
パソコン版とは異なり、直感的な操作で図面の編集・作成ができます。
すでに、AutoCAD・AutoCAD LTを現場に導入している企業におすすめです。
機能・できること | 図面作成・編集・共有クラウドサービスへの接続計測・寸法オフラインでの作業DWG・DWF・DWFファイルデータの共有・出力 など |
料金 | サブスク形式のみ1ヶ月:1,100円(税込)1年:13,200円(税込) |
対応OS | iOS、Android |
運営会社 | Autodesk |
【2】Ares Touch
スーパーゼネコンである「大成建設株式会社」や「株式会社熊谷組」も導入している製図アプリの「Ares Touch」。大成建設株式会社では、14カ国8,000人以上が利用しています。
(参考:Ares Touch公式ページ)
Ares Touchの特徴は、AutoCADとの互換性の高さ、わかりやすいインターフェースです。
直感的なタッチ式のインターフェースは、誰でも簡単に操作ができます。
また、Dropbox・GoogleDriveなどのクラウドサービスと簡単に同期できるのも嬉しいポイント。
まずは無料版を利用して、操作性に満足した際に有料版へとアップデートすると良いでしょう。
機能・できること | DWG図面ファイルの表示・編集・保存タッチ入力クラウドデータと自動同期オフラインでの作業 |
料金 | 無料版有りモバイルパック:22,000円〜詳しくは公式ページからお問合せください |
対応OS | iOS、Android |
運営会社 | GRAEBERT |
公式ページ | https://www.graebert.com/ja/cad-software/ares-touch/ |
【3】DWG FastView
「DWG FastView」は、「AutoCAD」との互換性が高い製図アプリです。
完全無料で利用でき、ユーザー登録も不要で機能制限なく利用できるのが特徴です。
また、2Dと3D表示のどちらにも対応しており、インターネットに接続しなくても利用できます。
DWG FastViewでは、図面を開くだけの「表示モード」と編集できる「編集モード」に分かれているため、スムーズな閲覧・編集が可能です。
AutoCADと互換性が高いため、モバイルアプリに費用をかけたくない企業におすすめです。
機能・できること | 図面作成・閲覧・編集PDF・JPG・PNG形式へ出力表示モード・編集モードの切替オフラインでの製図 |
料金 | 無料 |
対応OS | iOS、Android |
運営会社 | Gstarsoft |
公式ページ | https://dwg-fastview.softonic.jp/ |
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【4】CAD Pockets
「CAD Pockets」は、CADアプリを触ったことがない方でも利用しやすいインターフェースが特徴の製図アプリです。
CAD Pocketsの歴史は長く、10年以上の年月をかけて開発されています。
その為、現場に必要な機能を搭載しており初めて製図アプリを利用する企業でも導入しやすいのがポイント。
パソコン版CADへの書出が可能なため、現場と事務所の両方での利用を可能とするでしょう。
オフラインで作業できる無料の製図アプリを探している企業におすすめです。
機能・できること | DWG・DXF・DWF図面ファイルの作成・表示・編集PDF・JPG・DWF形式での書出文字・寸法記入オフラインでの作業 など |
料金 | 無料 |
対応OS | iOS、Android |
運営会社 | ZWSOFT |
公式ページ | CAD Pockets |
【5】IJCAD Mobile
AutoCADとの互換性が高い製図アプリの「IJCAD Mobile」。
製図アプリによっては、機能の一部を有料に設定しているものもありますが全ての機能を無料で利用できるのが特徴です。
IJCAD Mobileには、最新図面管理機能が搭載されており常に最新情報を表示できるのが強みです。
また、図面を編集する際に必要なCAD機能を標準装備しているため、編集や距離計算を円滑に進められます。
普段、AutoCADを利用している企業におすすめの製図アプリです。
機能・できること | DWG・DXF図面ファイルの表示・編集・保存シュミレートマウス機能ポイントマーカー・キーパッド入力 |
料金 | 無料 |
対応OS | iOS、Android |
運営会社 | システムメトリックス株式会社 |
公式ページ | IJCAD Mobile |
製図アプリの選び方
製図アプリには、機能面や操作性に特徴があります。
これから製図アプリを選ぶ際は、次の3つを意識することをおすすめします。
- PC版との互換性
- 操作性
- 利用シーンを想定して選択する
それでは、ひとつずつ詳しく解説するので見ていきましょう。
PC版との互換性
1つ目は、PC版CADとの互換性が取れるかどうかです。
CADには大きく分けて「DWG」と「DXF」の2種類のファイル形式があります。
それぞれのファイル形式の特徴は、次の通りです。
- DWG:AutoCADの標準ファイル形式
- DXF:多くのCADデータで利用されているファイル形式
導入する製図アプリが対応しているファイル形式を選択しないと、利用できないというトラブルに繋がります。
今現在利用している、PC版CADの出力ファイル形式を参考に、製図アプリを選ぶことが重要です。
操作性
製図アプリにより、タッチパネル対応やApple Pencil対応など、それぞれ操作性が異なります。
操作性が悪いと現場で利用する際にスムーズな図面確認ができなくなり、作業が遅れる可能性がでてきます。
製図アプリには、無料版や体験期間を設けているため、実際に試してみることが大切です。
利用シーンを想定して選択する
製図アプリの利用シーンを想定して選択することもポイントの一つです。
例えば、CADの編集はPCを使い現場で閲覧する際に製図アプリを利用する場合や、現場で編集も行うといったように、利用シーンから逆算することもおすすめです。
現場で図面を閲覧するだけであれば、編集機能が搭載されていないアプリが利用しやすく、適切なアプリと言えるでしょう。
まとめ
建設現場の図面を持ち運ぶ手間を減らしてくれる、製図アプリについて紹介しました。
製図アプリは、「図面データの読込・書出・編集・保存」、「クラウドサービスを利用したデータ共有」、「直感的な操作」ができます。
PC版CADと比べると、一部制限があるアプリが多いですが、現場で利用したい機能はほとんど使用できます。
今回紹介した製図アプリ5選は、機能や費用面が異なるため、導入したい目的を明確にし、円滑な業務を進めるための参考としてください。