従来の平面的な2D図面データとは異なり、3D(3次元)データを活用して立体的なモデルを作成する3D図面が活用されはじめています。
建設業のDX化推進に伴い、図面も2D図面から3D図面へと変わろうとしています。
3D図面アプリを導入する場合、導入するメリットやおすすめの製品を知りたい方もいるのではないでしょうか。
この記事では、3D図面アプリを導入するメリットから、おすすめできる5製品を詳しく説明しています。
また、製品選びに悩まないためのポイントもあわせて解説しているため、ぜひ最後までご覧ください。
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図面もDX化?3DCADの必要性とは
3D図面とは、3Dデータだけでものづくりを完結させる表現方法です。
紙図や2Dデータで表現していた情報を、すべて3DCADで作成した3Dモデルのことを言います。
従来の2次元データや紙図では、与えられた寸法を頭の中で3次元情報に変換し情報を整理する必要があり、高度な図面読解力が求められていました。
対して3D図面は、3次元形状に図面の指示が直接記載されているため、完成予想がしやすいという特徴があります。
3次元データは、以前から建築分野でも一部の会社が利用していました。
しかし、国土交通省が提唱するプロジェクトにより、設計・施工・管理などの観点からDX化は推進しています。
そんな3D図面アプリですが、利用していくなかで得られるメリットは何か、気になる方も多いのではないでしょうか。
3D図面アプリを利用するメリットを順に解説していきます。
3D図面アプリのメリット①理解しやすい
3D図面アプリで作成された図面は、立体的に表示されるため、完成をイメージすることが容易です。
2D図面アプリで完成図をイメージするには、複数の図面を読み解く力が必要であり、経験も必要とします。
また、立体的に表示される3D図面を活用することで、専門知識がない人に説明する場合にも役立ちます。
3D図面アプリのメリット②図面の編集や計算の簡略化
3D図面アプリは図面を立体的に表示させるため、複数のデータが活用されています。
完成品の体積・表面積・重心など、さまざまなデータがはじめから入力されているので、面倒な計算も必要ありません。
また、3D図面アプリは、計算が複雑で難しいとされている曲線の表示も可能です。
従来であれば、さまざまな情報を図面から情報を拾い、数値を算出するため計算ミスなどのヒューマンエラーが発生しやすい傾向でした。
3D図面アプリであれば、詳細なデータを活かすことで図面編集や計算を簡略化できることがメリットです。
3D図面アプリのメリット③業務の効率化
3D図面アプリを利用することで、これまで手書きで行っていた作図作業を簡略化できます。
なお、図面設計にかかる労力や紙のコスト削減もメリットと言えるでしょう。
また、3D測量データと3D図面アプリを併用することで、図面作成にかかる業務の効率化が可能です。
3D図面アプリの選び方
3D図面を選ぶ際は、次のポイントを抑えておきましょう。
- 利用したい機能から逆算する
- 操作性とサポート体制
- 料金面
さまざまな3D図面アプリが開発されているため、アプリ選びに悩まないためにも解説するポイントを参考にしてくださいね。
利用したい機能から逆算する
3D図面アプリは、建築業に特化しているタイプやリフォーム業に特化しているタイプなど、さまざまなツールがあります。
そのため、利用したい機能から逆算してアプリを選ぶことが大切です。
また、3D図面アプリには複数人での作業を可能としたツールや、2D図面に対応したツールなど、利用できる機能に違いがあります。
3D図面アプリを選ぶ際は、自社の業種に適した機能を搭載しているアプリを選択しましょう。
操作性とサポート体制
3D図面は2D図面と比べて立体的なデータを利用するため、操作を覚えるのにコツがいります。
そのため、3D図面アプリを選ぶ際は、操作性とサポート体制も重視するポイントです。
3D図面アプリを利用しているうちに使用方法がわからない機能もでてくるでしょう。
電話やメールで気軽に問題を解決できるサポート体制が整っていると安心です。
料金面
3D図面アプリには、無料で利用できるものから数百万円するものまであります。
自社が利用できる予算から、利用目的を逆算しアプリを選択しましょう。
また、3D図面アプリには無料のお試し期間を設けているアプリもあります。
まずはお試し期間で操作性や機能面を確認して、アプリを選ぶと良いでしょう。
3D図面無料アプリ【5選】
3D図面無料アプリを5選紹介します。
アプリごとに特徴があるため、それぞれ詳しく説明していきます。
Fusion 360
機能・できること | 3D設計 3Dシミュレーション 図面作成 |
料金 | 無料試用版あり 【有料版】 1ヶ月:8,800円 1年間:71,500円 3年間:214,500円 |
対応OS | Windows、Mac |
「Fusion 360」は、2DCADのAuto CADで有名なAutodesk社が提供する3DCADアプリです。
設計・建設業界など、さまざまな業界に携わる約460万人の方が利用しています。
Fusion 360は3DCADのモデリング機能に加え、レンダリング・2次元図面など、多数の機能が搭載されています。
利用した図面データはクラウド上で保存されるため、インターネットを接続するだけで共有できることも特徴です。
数十万〜数百万円していた3DCADが月額8,800円から利用できる価格設定も嬉しいポイント。
30日間の無料体験版が利用できるため、まずは体験版を利用して操作性を確認してから導入することをおすすめします。
BricsCAD
機能・できること | 3D設計 図面作成 レンダリング |
料金 | 無料試用版あり 【有料版】 サブスク版:48,400円〜 永久ライセンス:75,900円〜 |
対応OS | Windows、Mac、Linux |
「BricsCAD」は、AutoCADとの高い互換性が特徴の3D図面アプリです。
使い勝手がAutoCADと類似しており、品質の高い作業が安定して効率よく行えます。
BricsCADではCAD専用のデータ変更アプリがあり、DWGからJW、SFXからDWGという具合に、建設業でよく利用するフォーマットを自在に変換できることも特徴です。
BricsCADは、永久ライセンスがあるため、一度購入するだけで永続的に利用できるコストパフォーマンスもウリのひとつ。
2D図面でAutoCADを利用している方やコスト面を重視したい方におすすめです。
Onshape
機能・できること | 3D設計 3Dシミュレーション 図面作成 |
料金 | 無料試用版あり 【有料版】 Standard:年間1,500ドル(約217,540円) Professional:年間2,500ドル(約362,560円) ※2023年12月現在の為替相場で計算 |
対応OS | クラウド型のためインターネットに接続できれば利用可能 |
「Onshape」は、基本機能を無料で利用できるクラウド型の3D図面ソフトです。
アカウントの登録だけで使い始めることができ、OSの制限がないことが特徴です。
Onshapeには、無料版のほかに有料版が用意されています。
しかし、作成したデータは誰でも検索と閲覧ができる状態になるため、他人に見られたくない方は有料版の利用がおすすめです。
まずは無料版で操作性や利便性を確認し、自社に必要な機能が搭載されていることを確認してから有料版に切り替えるとよいでしょう。
SketchUp Free
機能・できること | 3D設計 図面作成 アニメーション |
料金 | 無料 |
対応OS | Windows、Mac |
「SketchUp Free」は、主に建築・建設業界で利用されている3DCADアプリです。
あらかじめ図面データが用意されているため、図面の書き方が知らなくても直感的に配置するだけでモデリングが行えます。
SketchUp Freeでは、Windows・Macに対応しており、現場で普及しているパソコンで対応できる点もポイントです。
SketchUp Freeは、3D図面の勉強用としての利用や、レンダリングソフトへ移行する前のモデルとして使用されることの多いソフトウェアです。
3D図面に触れてみたいという方におすすめです。
FreeCAD
機能・できること | 3D設計 図面作成 2D図面から3D図面の作成 |
料金 | 無料 |
対応OS | Windows、Mac、Linux |
「FreeCAD」は、無料で使用できるオープンソースの3DCADです。
カスタマイズ性が高く、他のソフトとの連携やスクリプト操作、拡張可能なソフトウェアが豊富にあります。
FreeCADはマルチプラットフォームに対応しており、Windows・Mac・Linuxで利用できます。
また、SVG・DXF・IGESなど、多くのファイル形式の読み取りと書き込みができるため、ワークフローにシームレスで統合可能です。
豊富な機能を無料で試してみたい方におすすめの3D図面ソフトです。
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まとめ
3D図面アプリを導入することで、現場関係者が理解しやすいだけではなく、図面に馴染みのない方でも視覚的に完成物をイメージしやすいというメリットがあります。
また、設計する際も3D図面を活用することで、設計の問題点に気づきやすく、効率的に作業を進められることが利点です。
これから建設業界のDX化は進む一方なため、早い時期に3D図面アプリに慣れるようにしておくと、操作にも悩むことが少ないでしょう。
3D図面アプリが気になった方は、今回紹介した無料で利用できる製品を使用し、いち早くDX化の波に乗って業務を進めてくださいね。